11月18日に開催された次世代の検索サービスのあり方を探るイベント「CNET Japan Innovation Conference(CJIC)2005 Autumn」では、サーチテクノロジー業界の注目企業のキーパーソン達による「モバイル検索の可能性」についてのパネルディスカッションが行われた。
モデレーターはサーチテリアの代表取締役社長、中橋義博氏。パネリストにはNTTレゾナントポータル事業本部メディア事業部担当部長の小澤英昭氏、NEC BIGLOBEモバイル事業部の前田宏氏、マイクロソフトMSN R&Dセンターインフォメーションサービス開発統括部開発統括部長の淺川秀治氏、ヤフーリスティング事業部検索企画室検索企画1チームリーダーの宮崎光世氏、ライブドア執行役員副社長モバイル事業担当の出澤剛氏、楽天ポータル・メディア事業カンパニーinfoseek事業本部で取締役執行役員の森学氏が登場した。
前半は各社のサービス紹介がされ、後半には各パネリストから、モバイル検索の最新情報、今後の動向などが次々に語られていった。
最初に、PCでは検索が盛り上がっているが、実際に携帯電話で検索は活用されているのか?という点についてモデレーターの中橋氏から質問が投げかけられた。これについて、gooの小澤氏から、モバイル検索の利用量は数十倍の伸びという状況が説明された。1年くらい前から携帯電話でキーワードを入れて検索するということが根付いてきたという。また、NTTドコモのFOMAの利用ユーザーが非常に多いのが特徴で、パケット定額制を利用することで料金を気にしないでよくなり、これからますます利用が増えていくと予想している。
次に、実際にどんな検索ユーザーがどんな検索ワードで利用しているのかという質問。これに対して、ほとんどのパネリストから女性や若年層が多いという声が上がり、PCとは違い、エンターテイメント系などの人名、映画名といったピンポイントでの検索が目立つことがわかった。
また、PCと携帯で検索サービスにはどういった違いがあるかという質問に対して、同じようなリンク構造がどこまで使えるかという検索精度の問題や、表現の制約などが挙げられた。また、内容の充実したサイトは公式サイトがほとんどだという点も指摘された。その中で、gooの小澤氏が以下のように今後の可能性について語った。
「PCのようにウェブページ検索だけの機能では不十分。何を探しているのか、入力されたキーワードに応じた専門検索ができるようにすれば、これからのモバイル検索の可能性も広がっていく。モバイル検索はウェブ検索のみではなく、生活するために必要な情報を検索できるものにしていくべきだ」
モバイル検索が将来どうなっていくかという点では、携帯電話は音や声で探すのが便利な場合もあることが指摘された。たとえば携帯電話で音楽などを拾って検索し、結果を表示するサービスが有効となる。また、レストランを探す場合は、地図や目的地までの交通手段などがシームレスに検索できるといった携帯電話ならではの利便性について述べられた。このような連動で次のアクションに繋げていくことが将来的にモバイル検索の可能性を広げていくことだということでパネリストの意見は一致した。
その他、参加者にとって非常に興味深いキーワード広告などモバイル検索のビジネス面についてのディスカッションも行われた。今年はリスティング広告の元年とも言われており、モバイル検索は利用者がまだまだ伸びること、さらに日本から世界へとビジネスチャンスが拡大する可能性がある点について意見が交わされた。
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