CNET News.comが入手した情報によると、インターネット検索大手のGoogleとYahooがそれぞれ、DVRサービスのTiVoとの間で提携交渉を進めているという。3社の狙いはずばり、テレビとウェブの融合だ。
事情に詳しい情報筋の話では、どちらの交渉もまだ流動的で、さまざまな結果が考えられる状態だという。
これまでに浮上しているシナリオの1つは、TiVoがGoogleまたはYahooと提携し、ユーザーがウェブを検索して見つけたビデオを、テレビで観られるようにする新サービスを開始するというものだと、これらの交渉に詳しい関係者の1人は述べている。
また別の関係者によると、TiVoは、GoogleおよびYahooに対して、完全な買収も含めた資本参加の可能性を打診したという。この関係者によると、TiVoはどちらかを相手に排他的な契約を交わす可能性が高いが、まだ結論は出ておらず、物別れに終わる可能性もあるという。
「提携契約の話を始めるのは簡単だが、しかしその後に詳細を詰める作業が残っている」と最初の関係者は述べ、「GoogleやYahooには、TiVoのような会社と協力する必要がある。これらの企業と提携すれば、リビングルームへのアクセス手段が確保できる上、テレビの画面上にも(自社サービスを提供する)インターフェースが持てる」と続けた。
この件に関して、TiVoからのコメントは得られてはいない。Google VideoのディレクターであるJennifer Feikinは、TiVoとの話し合いについてのコメントはできないと述べた。Yahoの広報担当のKathryn Kellyは、同社では噂や憶測についてコメントはしないと述べた。
TiVoと主要なインターネット検索企業との提携は、両社に成長の機会を提供するだろう。TiVoは以前から「テレビ界のGoogle」になると公言しており、すでに300万人の加入者にテレビ放送やブロードバンドメディアを検索/視聴できるようにするサービスを提供している。TiVoは、ウェブから直接映像をダウンロードする可能性は示したものの、まだ実際にそうしたサービスを提供しているわけではない。
一方、GoogleとYahooはビデオ関連のサービスに多額の投資を行っている。
Googleは先ごろ、同社の検索可能なビデオアーカイブへの作品受付を開始し、有名無名を問わずさまざまなビデオ制作者らに対し、同社のサーバを使って作品を保存したり、有料での視聴サービスを行うよう呼びかけた。このプロジェクトは、同社最新の実験である「Google Video」をベースに開発したものだ。Google Videoは、放送されたテレビ番組のクローズドキャプションをアーカイブして、コンテンツの検索ができるようにするもの。このベータプロジェクトは今年に入って始まったものだが、またユーザーがビデオクリップを観ることはできない。
また、Yahooも今年に入って、検索可能なビデオアーカイブを立ち上げた。
GoogleとYahooはいまのところ、PCとウェブに焦点を絞っているが、業界筋の話によると、両社はいずれ、ウェブ上にあるビデオクリップをテレビで観られるようにすることを計画しているという。
GoogleとYahooは、非常に激しい争いを繰り広げていることから、いずれも相手方がTiVoと提携し優位に立つことを許したくはない。その結果、TiVoが交渉時で強い立場に立っていると、ある情報筋は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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