インターネットの生みの親として知られるVinton Cerfによると、ハリウッドの映画会社が、作品の配信手段として「BitTorrent」の採用を切望しているという。
最初のTCP/IPプロトコル群を共同開発したCerfは、現在Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)会長を務めている。同氏は、先週シドニーで開催されたインターネット統治に関する円卓会議に出席し、ピアツーピアのファイル共有プログラム、BitTorrentに興味を持つ少なくとも2人の映画プロデューサーと話をしたと述べた。
「映画業界のさまざまな関係者が、インターネットの利用に関心を示し始めていることは事実だ。私は自分の経験からそのことを知っている。彼らは、BitTorrentを使ってコンテンツを配信することにさえ興味を持っている。先月も複数の映画プロデューサーと話す機会があった」(Cerf)
しかしCerfは、エンターテインメント業界が依然としてオンラインの世界を理解していないとの主張を変えていない。
「彼らはやっとインターネットの可能性を真剣に考え始めたばかりだ」(Cerf)
Cerfは、インターネット経由の映画配信に対する誤った認識があるとし、その点を特に強調した。
「ビデオというとすぐにリアルタイムを連想し、(ダウンロードと)同時に見るものだと考えがちだ。しかし、大半のビデオはリアルタイムで見る必要がない。TiVoなどの各種デバイスがあれば、リアルタイムで見る必要性はない」(Cerf)
Cerfは続けて、「配信の形としては、リアルタイムビデオストリームでも、BitTorrentのようなものを利用するものでも何でもかまわない。だれも配信方法など気にしないだろう。最終的は、ファイル全体が手元に届いて鑑賞できればそれでいい。それまでにかかった時間の長さなど誰も気にしない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」