ハリウッドの業界団体は米国時間24日、27日開催予定のアカデミー賞受賞式にノミネートされている映画を違法に交換している人々などを対象とした新たな法的攻撃を開始した。
アカデミー賞シーズンには、各映画製作会社は数百本もの映画のコピーを審査員に配布する。そのため、アカデミー賞シーズンはハリウッドにとって著作権侵害行為の対策を講じるのが難しい時期の1つだ。これらのコピーの一部は、必然的にPtoPネットワーク上で交換されたり、違法コピーや偽造されることになる。
全米映画協会(MPAA)の幹部らは、これまでに起こした訴訟と同様、提訴の対象者の人数や訴訟を起こした場所については発表しなかった。しかしMPAAは今回の訴訟に関係しているアカデミー賞のノミネート作品数本を挙げた。その中には、「Sideways(邦題:サイドウェイ)」「The Incredibles(邦題:Mr.インクレディブル)」「Eternal Sunshine of the Spotless Mind(邦題:エターナル・サンシャイン)」などが含まれている。
MPAAのCEO、Dan Glickmanは、「このように数多くの映画が盗まれている現状に鑑みると、比較的小規模な作品に至るまで、業界の隅々までが危機にさらされていることがわかる」と述べ、さらに「オンライン窃盗がまん延すれば、これらの映画の制作費を回収するのはさらに困難になる」と語った。
MPAAは過去数カ月間にわたり、映画の不正な取引に対する新たな法的運動を積極的に展開してきた。その結果、いくつかの重要なファイル交換用ハブが休止に追い込まれた。
MPAAは今月、BitTorrent技術をサポートするハブの1つであるファイル交換用サイト、LokiTorrentが和解金100万ドルの支払いと、同団体へのサーバログの引渡しに合意したと発表した。このニュースを受け、ファイル交換者の間では、MPAAがLokiTorrentから入手した情報を使って個人に対する訴訟を起こすのではないかとの懸念が広がった。
全米レコード協会(RIAA)が過去に起こした数千件の訴訟と同様、MPAAによる今回の新たな法的措置も姓名不詳の個人に対するものだ。被告の氏名は裁判の進行過程で明らかになっていく。
MPAAの幹部らは、同協会が24日に起こした訴訟で標的にされている人々が交換していたとされる映画の中に、アカデミー賞の審査員に送られた映画が含まれていると考えているか、との質問についてはコメントを控えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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