スーパーボウルの放映中に流される広告が最も話題になることを知らない者はいないが、広告業界では今年ブロガーの力を借りて、その反響を調べようとしている。
インターネット調査会社各社は、第39回スーパーボウルで放映される広告の「井戸端会議効果」を測定するために、「Blogosphere」に上がったコメントを集めようと計画している。Blogosphereとは、日記のような個人ウェブサイトが集まる空間のこと。
たとえばIntelliseek(本社:オハイオ州シンシナティ)では、350万以上のブログを対象に、スーパーボウル放映中に流れたCMに対するコメントの調査を行う計画がある。同社は、この調査結果を最高2万ドルで広告主に提供する予定だ。今年は、試合の合間に流される30秒のスポットCMが、昨年の230万ドルから240万ドルまで上がっているが、この広告料金に比べればIntelliseekの請求する金額は1%に満たない。
業界の専門家によれば、こうした調査を通じて、いずれは反響や効果に対する評価やフィードバックをリアルタイムで提供できるようになるという。また、すでに既存の大手メディアに影響を与えているブログという新興メディアが、これによってさらに影響力を拡大することにもつながる。
広告メディア会社Starcom IPのシニアバイスプレジデントTim Hanlonは、「ブログは世間でどんなことが起こっているかを知るための温度計のような存在だ」と述べ、さらに「一方には大手メディアが存在し、もう一方には市民メディアが存在する。メッセージを伝えるアプローチが対極にある両者の衝突は、かなり面白いことになるだろう」と語っている。
スーパーボウルは、単にフットボールシーズンの最後を飾るイベントではなく、高価で、往々にして大げさなコマーシャルの形を取って広告の創造性を称える場でもある。視聴者も、週明けに職場で話題にするためだけに、合間にトイレにも行かずに、じっくりコマーシャルを見ることが多い。だが、インターネット時代の始まりとともに、Reebokの「Terry Tate: Office Linebacker」のような傑出したCMは、試合終了後もネット上で大きな注目を集めるようになった。
数百万人の自称メディア評論家が論評を寄せてくるとの予想から、今年はブロガーが広告主の人気をさらうかもしれない。スーパーボウル放映直後のフィードバックがCMの評価に与える影響については、依然として結論が出ていないが、広告主はこの現象に注目している。
「巨大メディアがブログなどの草の根メディアに抑え込まれる可能性もあり、それと同時にこの草の根メディアが新しい人気コンテンツの発信源になる可能性もある」(Hanlon)
数百万ドルというスーパーボウルのCM枠を購入することは、資金が豊富で、年間を通じて最も視聴者の多いときに最大限の効果をあげようとする広告主の虚栄心による場合が多い。Nielsen Media Researchによると、昨年は過去最多となる1億4400万人の米国人がスーパーボウルを観たという。毎年広告主のなかには、PepsiCo、Ford Motors、FedEx、Frito-Lay、McDonald、Visaなどの企業が名を連ねている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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