サンフランシスコ発--Sun Microsystemsの最高経営責任者(CEO)Scott McNealyが講演で取り上げた1枚の写真が物議をかもしている。技術の急速な進歩を説明するために用意されたこの写真は、実は加工されたものだったという。この1枚の写真が、いかに人はインターネット上のいたずらに引っかかりやすいかを露呈する結果となってしまった。
McNealyは当地で開催中のOracle OpenWorldで基調講演を行った際に、「Popular Mechanics」誌に掲載されたとされる1枚の写真を取り出し、1954年当時の人々が将来の家庭用コンピュータをどう想像していたかを、おもしろおかしく説明した。しかしさまざまな伝説の真実を暴いてきたSnopes.comによると、これは原子力潜水艦のコントロールルームの模型写真を加工したものであるという。
電子メールやウェブへの投稿で出回っているこの白黒写真には、メーターがぎっしり並び、ハンドルの付いた横長のパネルの前に第二次大戦時代のスーツを着た男性が写っている。上の方には巨大なモニタがぼんやりと写っており、前面にはキーボードもある。
Snopesによると、写真の背景に写っているのは、スミソニアン博物館に展示されていた潜水艦の模型だという。McNealyが取り出したのは、米海軍が撮影した模型の写真に手を加えたもので、写真加工コンテストに出品されていた。
ネット上のいたずらは今に始まったことではない。これまでも、MP3ファイルにウイルスが埋め込まれているとか、電子メールを課税対象とする法案が議会に提出されたなどのデマが流れたり、偽物のウイルス修正ソフトが出回ったりしている。
ハイテクベンダのCEOであるMcNealyもこの写真にはまんまとだまされてしまったようだ。しかし、同氏は基調講演に集まった数千人の聴衆に向かい、「デトロイト出身者としては、このハンドルが何のためにあるのか、不思議でならない」と、疑いの目をもって写真を観察する一面も見せた。
また、同氏は次のような理にかなう発言も行っている。
「とにかく、今から50年後を想像するのは非常に難しい」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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