Idealabの創業者で、商用検索大手のOverture Servicesの生みの親でもあるBill Grossが米国時間5日、Snapという名の新しいウェブ検索事業を披露した。Snapは、ユーザーが「検索ボックスの次の段階」を利用して検索したかった情報を素早く見つけ出したり、広告主が支払う広告料金を把握できるようにしたりすることで、インターネットのナビゲーションや検索関連広告に革命をもたらすと同氏は述べた。
Grossは5日、Web 2.0カンファレンスで行われたインタビューで、「これは物議をかもすだろうが、素晴らしいサービスだ。われわれは検索機能の生産性を改善したいと考えている」と語った。
ベータ版が5日に公開された同サイトは、昨年Yahooに16億3000万ドルで買収されたOvertureを大成功に導いたGrossが、新たに進出したウェブ検索事業だ。Idealabは、デスクトップ検索企業のX-1と、ローカル検索/ソーシャルネットワーキング関連の新興企業Insiderpages.comにも出資している。
Snap.comでは、ユーザーが検索ボックスにクエリーを入力した後で検索結果を絞り込むのを支援するため、特殊なツールを用意している。
同サイトでは、ユーザーが単語の頭文字や「.com」や「.uk」といったドメインを入力することにより、検索結果のリストを絞り込めるようになっている。この機能は、X-1からライセンス提供を受けた技術を利用して実現されている。また、多数のISPから寄せられるデータフィードに基づき、各サイトの「満足度」に応じて検索結果をソートすることもできる。この「満足度」は、同じ検索を実行した多数のウェブユーザーが訪問先のサイトでどのような動きをしたのかをベースにまとめられている。
またSnapは、「ユーザーの意思」に関するデータを利用し、検索ボックスに入力された単語の意味を推測する初めての検索エンジンでもある。これには、利用者が特定の検索語を入力した後にとる行動を匿名でトラッキングして得られたデータフィードが利用されている。このデータフィードは、サードパーティーのISPからライセンス提供されている。同社は、1テラバイト以上もあるデータフィードを利用して、特定の検索と、ユーザーが行ったソートの関連性を計算している。
同サイトでは、利用者が検索エンジンを利用した後にたどる経路に関するデータも使用している。これは、将来の検索結果表示順を決定する上で役に立つとGrossは語った。
SnapのプロダクトオーナーであるPerfect Market Technologiesの最高経営責任者(CEO)Tom McGovernは、「利用者が過去に同じ検索を行ったときの行動パターンを推測し、その内容に応じてページレイアウトや検索結果の表示順を変更することができる」と述べた。
また、同サイトでは広告主やユーザーにとって透明性の高いサービスが提供されており、これが同サイトの最も画期的な点だとGrossはいう。Snapは検索結果の最上部にある広告スペースを販売するが、同サービスの特筆すべき点は、Snap経由でサイトにアクセスしてきたユーザーが買い物をした場合のみ支払いが発生する「コスト・パー・トランザクション(cost per transaction)」モデルが採用されている点だ。さらに広告主は、Snapに表示された広告をたどって自社サイトにやってきたユーザ−が商品を購入した場合に支払う広告料金を、商品が1つ売れる度毎に価格の25%、あるいは4ドルというように指定することができる。またこの情報はSnapの商品リストに表示され、同サービスの透明性が確保されている。
さらに、GoogleやOverture Servicesで提供されるシステムとは異なり、広告主はライバルが支払う広告料金について知ることも可能だ。また、Snapのオンライン広告収入に関する情報も図表で掲載されている。
「われわれは、広告主のNasdaqを立ち上げようとしている。消費者と広告主の連携としては究極の形だ」(Gross)
Idealabはカリフォルニア州パサデナに本社を置く株式非公開企業だ。同社は昨年からこのサービスを開発してきた。Perfect Marketは今年に入ってSnap.comというドメイン名の使用権をGeneral Electricから購入した。 それ以前まではCNETとNBCがジョイントベンチャーでSnap.comの名前を使用していたが、ドット・コムバブル崩壊後の2001年にこのジョイントベンチャーは倒産している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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