その一方で、(1つの例外を除き)著作権法に関してシリコンバレーの政治的敵対者になりつつあるのが、音楽業界グループだ。
Adobe SystemsとやAutodeskがメンバーとして参加し、Microsoftと深い関係を持つ業界団体Business Software Alliance(BSA)は、Induce Actを支持している。BSAは声明のなかで、同法案は「違法コピー阻止と技術革新のバランスを、理にかなった形で」とっていると述べている。
BSAの同法案支持を受けて、21日には、複数の音楽業界グループがBSAの動きに加わった。米音楽家連盟(American Federation of Musicians)や全米音楽出版社協会(National Music Publishers' Association)、ナッシュヴィル作曲家協会(Nashville Songwriters Association)、米作曲家組合(Songwriters Guild of America)を含むグループは声明文を発表し、「われわれは委員会がこの重要な法案を一刻も早く通過させることを強く要求する」と述べた。
匿名を条件に取材に応じた著作権局の弁護士は、Induce Actは、ファイル交換企業を対象とするうえで、不可欠で妥当な変更を著作権法に加えるものだと弁護した。
Eコマース企業やインターネット出版社を代表するNetCoalitionは、著作権局側が1984年の「ベータマックス」訴訟におけるVCR許可判決へ口を出していることに危険を感じていると語る。
「われわれは、議会がベータマックス判決を再度検討しなおすべきだ、という意見に強く反対する」とNetCoalitionの連邦政策担当ディレクターMarkham Ericksonはいう。「われわれは、あの判決をデジタル時代には適用できないという著作権局の提案に当惑している。逆に、インターネットやインスタント・メッセージ(IM)、Webブラウザ製品の人気が爆発した理由の1つにベータマックス判決があると主張させてもらいたい。ベータマックス判決は、優れた製品が登場したこの時代の育成を促進したのだ」(Erickson)。
電子フロンティア財団(EFF)の弁護士Fred von Lohmannは、著作権局がInduce Actの立法化を熱望しているのは驚きではないと言う。
「著作権局は、著作権所有者にとってどんな意味を持つのかという狭い視野で著作権法を捉える傾向がある」とLohmann。そして、「今も昔も著作権局は『著作権法が技術ポリシーや技術革新など、他分野にどのような影響を与えてきたのか』と自問することが自分たちに課せられたミッションの1つだという風に考えたことがないのだ」と続けた。EFFは、人々の著作権法侵害を「誘発する」製品やレビューをAppleや東芝、CNET Networksが発表したと仮定して、同社らが訴えられた場合のシミュレーションをウェブに掲載している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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