Microsoftは、同社が運営するポータルMSNで無料で提供していたコンテンツサービスを有料化する計画に、本格的に乗り出した。
MSNは12日の夜から、オンラインラジオサービス「Radio Plus」の有料版提供を開始する。MSNはすでにオンラインサービス「MSN 8」、ウェブメールサービス「Hotmail」のストレージ容量拡大版、ゲームサイト「The Zone」などいくつかの有料サービスを提供しているが、エンターテインメント関連の有料コンテンツは、このRadio Plusが初めて。
現在このサービスは、リスナーが楽曲を1曲聴くごとにバナー広告を1回見るか、6曲聴くごとに音声広告を1回聴くシステムになっているが、今後は年間加入料29ドル99セント支払えば、これらの広告を視聴する必要がなくなる。有料リスナーの年間視聴時間は平均で無料リスナーの5倍に上ると、MSNでは予測している。
また有料リスナーは、曲のテンポ、ジャンル、アーティストといった項目ごとに、様々な種類の音楽の検索が可能となる。この新機能には、Microsoftが2000年9月に買収したオンライン音楽配信の新興企業MongoMusicの技術が使われている。
さらに有料サービスでは、通常オーディオコンテンツの配信時に生じるバッファリング遅延も解消されている。
オンライン音楽配信サービス市場は、現在大きな転換期を迎えている。有料音楽ダウンロードサービスは軒並み不振で、Appleが先月末に1曲99セントの音楽ダウンロード販売サービスを開始した際、業界は祝福とパニックが入り混じった複雑な反応を見せた。
MicrosoftのRadio Plusはストリーミングラジオサービスであり、ダウンロードサービスではないが、アナリストたちはMicrosoftの有料オンラインラジオサービス事業進出について、市場が今後発展するか否かが不透明な中での船出と見ている。
Microsoft以外に有料オンラインラジオサービスを提供している主な企業としては、「RealOne RadioPass」サービスを提供するRealNetworksや、「Launchcast Plus」サービスのYahooなどがあげられる。またMicrosoftのマルチメディアコンテンツの再生ソフト「Windows Media Player」もラジオチューナー機能を備え、サードパーティのラジオサイトを通して音楽コンテンツを提供しているため、同じMicrosoftのサービスではあるがRadio Plusとは競合関係にある。
Microsoftは今回のRadio Plusサービスの有料化を足掛かりに今後もコンテンツサービスの有料化を進めていく方針。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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