起死回生なるか--外部の人材登用に賭けるM・デルCEO - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年02月19日 15時45分

 Dell氏は、直接報告を受ける幹部の数を22人から12人に減らすと、社内メモに書いている。そのうち、Garriques氏や製造部門を率いることになったMike Cannon氏(Solectronより移籍)、サービス責任者となったSteve Schuckenbrock氏(Electronic Data Systemsより移籍)、最高財務責任者Donald Carty氏(American Airlinesより移籍)は、外から登用された人たちだ。Endpoint Technologies AssociatesのアナリストRoger Kay氏は、これはDellが真剣に新しい人材を雇い入れ、ほかの幹部にメッセージを送ろうとしていることの表れであると述べている。

 「われわれが目の当たりにしているのは、Michael(Dell)が、ゼロベースでの事業の見直しを迫られている様子だ。Dellは今、有能な人間を雇うために多額の資金を使っている」(Kay氏)

 これは、Dellが、自身がリーダーであることを自負してきた製造などの分野をも見直そうとしていることを意味する。

 Friedman Billings RamseyのClay Sumner氏をはじめとするアナリストらは、Dell氏による先ごろの社内メモから、同社がODM(Original Design Manufacturer)の活用を増やしていくことを示唆していると指摘する。市場での人気がノートPCに移るなか、DellはこれまでODMの活用に消極的だった。Dellにおける長年の製造に対する考え方を変えるうえで、業界最大のODMであるSolectronでの経験をもつCannon氏は必要な人材だったのかもしれない。

 Dellは今も、企業顧客に大きく依存している。Dellの売り上げの約85%は企業顧客からのものだ。企業顧客を強く意識する文化を作り上げてきた幹部らは、個人向けの販売を改善できず、結果的にMotorolaの携帯電話端末部門を率いていたGarriques氏やWells Fargoのオンラインビジネスを統括していたSona Chawla氏が採用されることとなった。

 Bracelin氏は、Dellが強固な基盤を築こうとしていると述べる。「新しい幹部チームは、それぞれの持ち場に就いて、2008年の好転に向けたフレームワークを作るだろう」とBracelin氏はいう。

 もっとも、新しい分野から人を採用することが必ずしも成功につながらないとKay氏は述べる。「(IBM)のLou Gerstner氏は会社をよみがえらせた。その一方で(Apple)のJohn Sculley氏は会社の業績を低迷させた」(Kay氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]