Microsoftは米国時間7月13日、「Office 2010」の招待制のテクニカルプレビュープログラムをリリースし、また一歩、製品発表へ近づくことになった。
しかしながら、新たにリリースされた同プログラムの提供対象は限られたものとなる。Office 2010のデスクトップ版のテクニカルプレビュープログラムが提供されるのは、ニューオーリンズで今週開催のWorldwide Partner Conferenceの出席者や、少し前に開催されたTechEdへの出席者に限定される。また、Microsoftは、「Office 2010:The Movie」のティーザーサイト上でも、同プログラムへの参加登録を受け付けてきた。
とはいえ、Microsoftは、Office 2010で最大の変更点ともなる、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteのブラウザ版の提供を、今回のテクニカルプレビュープログラムでは見送ったようだ。
「Office Web Applications」と呼ばれるブラウザ版は、13日にデモンストレーションが行われたものの、テクニカルプレビューの提供は、2009年後半を待たねばならない。Microsoftは2010年に、「Windows Live」の無料サービスの一環で、コンシューマー向けにOffice 2010のブラウザ版の提供を計画しているものの、広告が含まれるようになるかどうかに関しては、まだ正式な決定はなされていない。
Office Web Applicationsは、Safari、Firefox、Internet Explorer(IE)で動作し、企業内でのOfficeユーザー数を伸ばすことに加えて、「Google Docs」や他のウェブベースの各種生産性プログラムに脅かされてきた基盤を保持することが目標に掲げられている。
Microsoftは、Office 2010のデスクトップ版に関して、より大規模なベータテストを2009年後半に計画しており、2010年前半に最終版の製品リリースを予定している。
Office 2010のテクニカルプレビュー版で提供された機能の大半は、すでに同ソフトウェアのテスト版が、2009年前半にウェブ上へ流出してしまっていたこともあって、それほど目新しいものではないが、Microsoftは、Office 2010に搭載される各機能のさらなる詳細や、Office 2010の販売方法に関する計画の詳しい情報提供を行なっている。
これまでのOfficeの最新版であった「Office 2007」においては、Microsoftは、全く新しいXMLファイル形式や、ユーザーの作業内容に基づいてコマンドの変更を行う「リボン」ユーザーインターフェース(UI)への大幅な移行など、大胆な変更を加えた。一方、Microsoftは今回、より基本的な性能の向上が図られたため、Office 2010での変更点が、それほど目ざましいものとはならないことを明らかにしている。
Office 2010は、これまで採用されていなかった多くのOfficeコンポーネントでも、新たにリボンUIが提供されるようになり、リボンUIへの依存度が強化されている。また、Officeでは初のこととして、Office 2010の32ビット版と64ビット版の両方が用意される。
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