Sun Microsystemsは、「Network.com」と呼ばれる同社のユーティリティコンピューティングの試みを、復活させる方策が見つかるまで凍結したようである。
Network.comは、2年前に開始されたこの草分け的なコンピューティングの試みで、顧客が高価なIT機器を購入しなくとも、高機能のコンピューティングアプリケーションが利用できる従量課金制のコンピューティングインフラを提供していた。だが、Register.comの報道によると、同サービスはわずかに13人の顧客しかおらず、新規顧客の受け入れを停止したという。
クラウドコンピューティングおよびデベロッパープラットフォームグループのバイスプレジデントであるDave Douglas氏は米国時間12月9日、同サービスは過渡期であるが、Sun Microsystemsが同サービスとともに進む方向性に関し詳細を説明するのは控える、と報道陣に対して語った。
ChannelWebの報道によると、「同サービスを利用する多くの顧客がいるが、われわれにとり、同サービスは開発の重点的対象とはなっていない」と同氏は述べたという。
Network.comのウェブサイトが変更され、「改修中です」という見出しがついた声明文が以下のように掲載されている。
Network.comは、いくつかの素晴らしいオプションを加えているための移行期にある。われわれの取り組みを公開する準備はまだできていないが、みなさんからの意見には耳を傾けたいと思っている。また、連絡可能な状態にしておきたいとも思っている。
Sun Microsystemsの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏は、5月にCNET NewsのDan Farber記者とのインタビューの中で、Network.comを話題にしている。
Schwartz氏は当時、「われわれは、開発者にとって中立的な技術供給者であること、また、自身のインフラを購入するだけの資金がない人々向けのサービスを運営することが重要である」と述べ、「Network.comは、『MySQL』、『JavaFX』、サーバ、テープ記憶装置、ソフトウェアスタックなど、われわれが構築するすべてのもののバックプレーンである」と続けた。
しかし、先ほどふれたNetwork.comのウェブサイトの内容からは、同社の戦略はもくろみほど成功しなかったことを暗に認めたようにも読み取ることができそうである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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