12月2日から4日にかけて行われた「Sun Tech Days 2008 in Tokyo」に合わせ、「Javaの生みの親」であり、Sun MicrosystemsのVice President and Sun Fellowを務めるJames Gosling氏が1年ぶりに来日した。
2日に行われた報道関係者向けのラウンドテーブルでは、JVMや動的言語、Java 7などについての本音を語ってくれた。
同日に行われたキーノートセッションにおいて、Gosling氏は「これからはJVMが様々な言語、様々なデバイスのハブ的存在になる」と述べている。では、現時点でJVMに関する何かユニークな事例はあるのだろうか。
同氏はクラウドコンピューティング――この用語は「おかしなバズワード」だと指摘しながらも――への活用を例に挙げた。
「ある企業では、JavaSpaceを利用してクラウドを構築するという試みを行っている。Javaを利用することで、クラウドの内側で実際に動いているハードウェアを抽象化することが可能になる」
JavaSpaceとは懐かしい響きだ。90年代に登場した同技術は、すでにSunの牽引するメインプロジェクトからは外れてしまったが、コミュニティに引き継がれてクラウドの分野で活用されているという。もっともJavaSpace自身については、Gosling氏は「90年代当時は十分なパワーを持っていたが、Javaの姿勢が標準化、多言語化にシフトした今となっては、完全にJavaの世界に依存しているJavaSpaceはパワー不足だと思う」と語っている。
JVMについては、その他に異なるプログラミング言語の融合という面でも活躍するだろうと同氏は指摘する。
「スクリプト言語のパワーはある分野に特化することで最大に得られる。例えばJavaFXならばRIA、Rubyならばウェブアプリケーションといった具合に。それらを相互作用させられれば、より優れた効果を発揮できるだろう。JVMはそのための基盤として最適のものだ」
Javaの次期バージョンとなるJava 7ではスクリプト言語のサポートがさらに強化される予定であり、JVMによる多言語の融合はさらに促進されるかもしれない。
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