スーパーコンピューティングを得意とするSGIはMicrosoftと提携し、ローエンドサーバのクラスタにコンピューティング作業を振り分けるWindows版クラスタリングサーバをサポートすることで合意した。
これまでSGIは、コンピュータクラスタ市場で優位にたつオープンソースOSのLinuxを主に取り扱ってきた。しかし今後はMicrosoftの「Windows Compute Cluster Server」も販売していく。両社の提携は米国時間1月11日に発表される予定だ。
この方針はSGIが小規模事業者を顧客として獲得したい狙いがあるからだ。そしてこれは連邦破産法第11章の適用による破産保護手続の解除にむけて同社が提出した再建計画の一部でもある。IBM、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Sun Microsystemsといった競合企業と同様に、SGIは高性能コンピューティングが大規模な研究施設だけでなく小規模組織にも適していると考えている。こうした組織には、業務記録から有益な情報を探す必要がある小規模企業や大規模企業の1部門などが含まれる。
「2006年春からわれわれは高性能コンピューティングが幅広く応用される道を探し始めた」とSGIのシニアバイスプレジデントで製品担当ゼネラルマネージャーを務めるDave Parry氏は語った。
コンピュータクラスタを動作させるのは複雑な作業だが、Microsoftはそれを人間が扱える範囲内に持ってきたい、少なくとも「大勢のWindows IT担当者によって簡単に配備できる」ものにしたいと考えている、とMicrosoftの高性能コンピューティング担当ゼネラルマネージャー、Kyril Faenov氏は述べている。そうすることで小規模部門でも同技術が利用できるようになることを同社は期待している。
提携の条件は発表されていない。MicrosoftはすでにHP、IBM、Dellや複数の小規模企業とコンピュータのクラスタ契約を結んでいる、とFaenov氏は語った。
SGIはMIPSプロセッサ製品群およびIRIX OSの販売中止を発表した後、製品ラインアップの大部分をIntelの「Itanium」プロセッサとLinux OSを搭載したものに移行してきた。しかし2006年、Intelの「Xeon」を搭載するクラスタシステムも追加する計画であると発表していた。
Windowsのコンピュータクラスタ版はXeonシステムのみで動作する。それにあわせて、SGIは8日に新モデル「Altix XE310」サーバーを発表した。XE310は、SGIとIntelの共同開発による革新的な小型マザーボード「Atoka」を使用してデュアルプロセッサマシン2基を高さ1.75インチ(44.5mm)の筐体におさめることができ、Intelの4コアプロセッサ「Xeon 5300」(開発コード名「Clovertown」)シリーズを最大4基まで搭載できる。
XE310システムは価格3100ドルから個別に購入できるほか、設定済みクラスタ「XE1300」でも購入可能で、SGIによると新製品は3月から出荷される予定だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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