日立製作所の北米法人Hitachi Americaは米国時間11月28日、ブレードサーバ「BladeSymphony」の新世代モデルを発表する計画だ。同製品では、各ブレードを連結させて大規模なマルチプロセッサシステムを構築したり、仮想化により複数のOSを同時に実行させたりできる。
新モデルは、現行のBladeSymphonyと同様、高さ17.5インチ(約44.45cm)のラックマウント型シャーシを採用し、Intel製プロセッサ「Itanium」または「Xeon」を2基搭載したブレードを8枚格納できる。だが現行機と異なり、Itanium搭載ブレードで構成されたシステムでは、ハードウェアの重要な特長が新たに加わったと、Hitachi Americaサーバグループのマーケティング担当バイスプレジデントSteve Campbell氏は語る。
第1は「Virtage」と名付けられた仮想化技術で、これにより単一のItaniumサーバで複数のOSを同時に実行できる。この機能は、「Xen」などの仮想化ソフトウェアを使わずに利用可能だ。Virtageにより、個々のOSはプロセッサパワーやメモリ、入出力装置といったコンピューティングリソースの一部を共有できると、Hitachi AmericaのチーフシステムズアーキテクトPaul Figliozzi氏は説明する。
第2は、2006年7月にリリースされた「Itanium 2プロセッサ9000番台」(開発コード名「Montecito」)を搭載するブレードを最大4枚まで連結し、単一のマルチプロセッサシステムを構築できる点だ。このシステムは最大128Gバイトのメモリを搭載できるが、ハードディスクは内蔵されていない。そのため、起動するには別のストレージブレードかネットワークストレージが必要だと、Figliozzi氏は述べた。
Figliozzi氏は、Hitachi AmericaはXeonプロセッサ搭載ブレードにもVirtageと対称型マルチプロセッサ(SMP)の両機能を実装する計画だと付け加えたが、提供予定時期については明かさなかった。しかし、Itanium搭載システムのみの特長という点に関して、あるアナリストは冷めた反応を示している。
「この製品で最大の売りとなる特徴は、ハードウェアに組み込まれた仮想化技術と、複数のブレードを連結させて大規模なSMPを構築する能力だが、当面はItanium搭載システムにしか提供されない。技術的には興味深いが、日立の本拠地である日本市場以外で大口顧客に販売するためには、この点が大きな障害となるだろう」と、IlluminataのアナリストGordon Haff氏は述べた。
BladeSymphonyの新モデルは、米国で2007年1月1日に発売される予定だ。伝統的に日本市場へ重点的に取り組んできた企業にとって、米国は新たな足がかりとなる場所だ。しかし、日立は「北米市場への参入を積極的に推進する」計画だと、Campbell氏は述べた。
11月27日の時点で、Hitachi Americaはまだ同製品の価格を公表していない。
なお、同社が販売するx86サーバにはAdvanced Micro Devices(AMD)製「Opteron」プロセッサが採用されていないが、今のところ採用する計画もないと、Campbell氏は付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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