Adobe Systemsが、オープンソースソフトウェアプロジェクトを支援するMozilla Foundationに、ウェブブラウザのFirefoxでJavaScriptプログラムを実行させるためのソフトウェアを寄付することになった。これは、これまでに同団体に寄贈されたなかで最大規模のコードとなる。
Adobeは米国時間11月6日、サンフランシスコで11月7日から開催される「Web 2.0 Conference」に合わせて今回の寄贈に関する発表を行う予定だ。Adobeが寄贈するコードは、「Tamarin」と呼ばれる新しいオープンソースプロジェクトの基礎を形成するものとなる。Tamarinプロジェクトは、AdobeとMozillaの開発者がメンバーとなり、指揮をとって進められていくことになっている。
Adobeが提供する予定のソフトウェアは、「ActionScript Virtual Machine」と呼ばれ、「Adobe Flash Player 9」でスクリプトコードを実行するために用いられているものと同じだ。
Mozilla Foundationでエグゼクティブディレクターを務めるFrank Hecker氏によれば、将来的に同ソフトウェアはFirefoxに組み込まれる計画で、2008年前半には実現される見通しだという。
AdobeのFlash Playerの仮想マシンに用いられている同スクリプト言語は、ActionScriptで書かれたプログラムを実行するためのものだ。ActionScriptは、情報および通信システムの標準化団体であるEcma Internationalが定めた「ECMAScript Edition 4」と呼ばれる規格に準拠している。一般に広く使用されているJavaScriptやMicrosoftのJScriptも同規格に準拠している、とAdobeでチーフソフトウェアアーキテクトを務めるKevin Lynch氏は述べている。
2006年6月にFlash Player 9とともにリリースされたAdobeのスクリプト「エンジン」の最新バージョンでは、従来のバージョンに比べて10倍の速さでプログラムを実行することが可能なJIT(Just-In-Time)コンパイラが使用されているとHecker氏は述べる。
またLynch氏によれば、今回のMozillaとの提携は、Adobeがこれまでに行ったオープンソースに関する提携のなかで最も規模が大きいという。Adobeは今回の動きを機に、AJAXスタイルのウェブ開発やメディアおよびアニメーション用のFlashを含め、さまざまなプログラミング技術を組み合わせた開発を今後さらに促進していく予定だとLynch氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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