Sun Microsystemsは、「UltraSPARC T1」(開発コード名「Niagara」)プロセッサ搭載のサーバで、複数のOSを同時に実行できる新しい機能を、2007年1月初めより導入する計画だ。この機能は、IBMとHewlett-Packard(HP)の製品の持つ機能と競合する部分がある。
これは論理ドメイン(Logical Domains:LDom)と呼ばれる技術で、一般に仮想化と呼ばれている技術を用いて可能な限りサーバの柔軟性と効率性を高めようとする競争における最新の動きとなる。Sunのサーバ部門で事業戦略製品マネージャーを務めるPradeep Parmar氏によると、LDomを利用するには、「Solaris 10」に11月公開予定の11/06アップデートを適用する必要があるという。さらに、ハードウェアとして、2007年1月に発売予定の新型サーバを利用するか、ファームウェアを現行の「Sun Fire T1000」または「Sun Fire T2000」にアップデートして利用する必要があるとのことだ。
Sunにとって、このLDomを用いた手法は、1つのマシンで複数のタスクを実現するために導入する手法としては3番目となる、折衷的な選択肢だ。
ここ数年、Sunでは自社のハイエンドサーバをハードウェアパーティションと呼ばれる区画に分割できる機能を導入しているが、パーティションあたりのプロセッサ数は4個にすぎない。これに対して、2005年にSolaris 10をリリースした際には、コンテナと呼ばれる技術を導入した。これは、1つのOSを複数に分割し、それぞれ別のコンピュータ環境に見せかけることができる技術だ。
LDom技術では、1個のプロセッサが最大32の別個のOSを実行できるため、先の2つの手法の利点をうまく取り入れたものとなっている。これが利用できるのは、UltraSPARC T1プロセッサを搭載したSunのサーバだ。UltraSPARC T1プロセッサは、スレッドと呼ばれる命令シーケンスを同時に32実行できる能力を持つ。
このLDomだが、当初の予想に比べて導入がやや遅れている。2006年に入ったころは、Sunは2006年中の導入を表明していた。
ハードウェアをパーティションに分割する技術を自社のUNIXサーバ製品に導入したのはSunが最初で、その時点ではIBMとHPは遅れをとっていた。しかし、両社は、4プロセッサごとに分割するよりももっとサーバを細かく分割できる仮想化技術を市場に導入し、今ではSunを追い越している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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