サンフランシスコ発--Intelは米国時間9月27日、x86チップに約50種類の命令を追加する計画の詳細を明らかにし始めた。検索、数値計算、マルチメディア処理などのタスクの高速化を目指す。
IntelのDigital Enterprise GroupゼネラルマネージャーPat Gelsinger氏は、当地で開催中のIntel Developer Forumで基調講演を行い、命令セットの拡張を明らかにした。同氏はまた、過去に行ったx86の拡張からの方針転換として、同社が開発の早い段階から情報を共有することを明らかにした。
これらの拡張を活用するために自社プログラムの修正が必要なソフトウェアベンダーを支援する目的から、情報開示を早めることにした、とGelsinger氏は語っている。同氏はさらに、この選択がライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)の追随を助けることになるのは同社も認識している、と加えた。
Gelsinger氏は、Intelがアーキテクチャの開発ペースを上げることで「業界がメリットを享受できるようにする。結果としてライバルも早くメリットを享受できるようになるが、そのような結果も十分想定している」と語っている。
既に、これらの命令をサポートすべくMicrosoftとAdobe SystemsがIntelと協力を進めていると、Gelsinger氏は語っている。
新たに追加される命令は、45ナノメートル製造プロセスを採用して2008年ごろ登場予定の「Penryn」世代のプロセッサでデビュー予定だと、IntelのServer Platforms GroupゼネラルマネージャーKirk Skaugen氏は語っている。
これらの命令は大きく2つのカテゴリーに分けられる。最初が第4世代のStreaming SIMD ExtensionsのSSE4だ。SIMD(単一命令多重データ処理)は、各エレメントに1つの命令を組み合わせるのでなく、1つのチップが複数のデータエレメントに対して同じ処理を行えるようにする。このアプローチならば、画像、動画、音声を扱う多くの操作を最大限に有効利用できるようになる。SSE4は高性能コンピューティングの改善にもつながると、Intelは語っている。
2番目のカテゴリーが、特定の2種類のアプリケーションの処理速度向上だ。その1つ目が、手書き認識や遺伝子研究などの作業に有益な検索とパターンマッチングだ。そしてもう1つが、ストレージシステムと各種コンピュータとの間のデータ転送の整合性を監視する巡回冗長検査(CRC)技術だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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