大手チップメーカーのIntelは米国時間8月28日に、複数のソフトウェア開発ツールをリリースすると見られている。これらのツールの目的は、マルチコアプロセッサで既存のアプリケーションを実行する際に、大幅なパフォーマンス向上を実現することだ。
Intelは、2006年末までに自社製チップの約70%がマルチコアになると予想している。マルチコア設計では、個々のプロセッサが2つ以上のプロセッシングユニットを搭載することにより、電力消費を増やさずにパフォーマンスを向上させることが期待できる。
新しいツール群の設計意図は、ソフトウェア企業のプログラマーを支援し、マルチコアシステムから付加的なコンピューティングパワーを引き出して活用できるようにすることだ。
Intelの開発者向け製品部門のマーケティング担当ディレクター、James Reinders氏によると、新ツールの「Threading Building Blocks」は、プログラミング言語C++の機能拡張で、アプリケーション内のパラレルなルーチンまたはスレッドを書く手順を容易にする目的で使用されるという。
さらに、既存の2種類のIntel製マルチスレッディングツール、「Thread Checker 3.0」と「Thread Profiler 3.0」にも、64ビット版プロセッサへのサポートとLinuxへのサポートが追加されると、Reinders氏は述べた。
マルチコアのシステムはより強力であることから、既存のアプリケーションのパフォーマンスを押し上げることは確かだ。しかし、さらに劇的にパフォーマンスを向上させるためには、ソフトウェアメーカーが、個別のタスクが並行処理されるようなアプリケーションを書く必要があると、Reinders氏は説明する。
「特定のアプリケーション、たとえば、画像編集ソフトなどは、並行処理の恩恵をまったく活用していない。しかし、画像や、ビデオ編集などは特に、並行処理が有効な分野であることは明らかだ」(Reinders氏)
Reinders氏は、Adobe Systemsはビデオ編集アプリケーション「Premiere Pro 2.0」をデュアルコアシステムに最適化し、すでに市販していると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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