IBMは、ブログなどのウェブサイトで交わされる会話が企業イメージに与える影響を解析するアプリケーションの開発を進めていることを明らかにした。
同社は米国時間7日、「Public Image Monitoring Solution」と呼ばれるアプリケーションの概要を発表した。これは、大量のブログやニュース記事などの各種素材を検索し、企業にとって役立つような情報を抽出するというアプリケーションだ。
IBMでは、パートナー企業や金融サービス会社Morgan Stanleyと共同で、同アプリケーションのテストを進めている。同ソフトウェアは、IBMのテキスト解析技術や検索ソフトウェア、WebSphere Information Integrator OmniFind Editionを利用して構築される。
IBMは当初、企業ネットワーク内の情報をインデックス化して検索可能にする目的でOmniFindを開発した。しかし、IBMで戦略および事業開発担当ディレクターを務めるMarc Andrewsによると、開発の途中で、外部の人間が自分の会社についてウェブ上でどういう会話をしているのかをしきりに知りたがっている顧客がいることに気付いたという。
「さまざまな組織が、自分たちについて公の場で何と言っているのかを知ろうと悪戦苦闘している。それが、企業の最終的な見解や購入判断に影響するのだ」(Andrews)
Andrewsは米国時間7日、ある自動車会社のマーケティング部門がブログ、ニュース記事、ニュースグループを検索して消費者の感情を評価する、というプロトタイプのデモを行った。
同氏はデモのなかで、燃料効率に関する話題を検索/抽出/分類し、レポートを作成して見せた。多くの消費者やニュース記事が自社製品に対して否定的な発言などをしていれば、マーケティング担当者はその内容を把握したうえで対応できると、Andrewsは説明する。
Andrewsによると、一般的なウェブ検索エンジンは、クエリーで指定された単語が含まれるウェブページを探し出すのに対し、OmniFindは文章の内容を解析して、その内容を自動分類したうえで、検索結果を表示するという。たとえば、特定の人物の氏名と「電話」という単語を使って検索すれば、OmniFindは、「電話」という単語が含まれるページだけではなく、電話番号が含まれるコンテンツを探し出す。
同製品では、ニュース記事など特定の情報源を検索したり、あらかじめ定義された方法でデータを分類したりするようにカスタマイズすることも可能だ。
IBMは、テキスト解析を専門にするFactivaおよびNSteinと共同で同アプリケーションの開発を進めており、Morgan Stanleyと共同でプロトタイプを用意した。Morgan Stanleyでは、アナリストから、自分の担当する企業のイメージを調査したいというニーズが上がっていたとAndrewsは語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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