Dellは、同社の企業向けPC「OptiPlex」について、一部製品のコンポーネント交換に応じる予定はあるが、製品全般にわたってのリコールは行わないと米国時間10月31日、同社広報担当者を通じて明らかにした。
Dellの「OptiPlex GX270」および「OptiPlex GX280」で発生したパフォーマンス問題は、同社が第3四半期決算の見通しを下方修正した理由の1つとして挙げられている。
Dell広報担当のJess Blackburnによれば、仕様を満たすだけのパフォーマンスを実行できない特定のコンデンサ上で問題が発生しているという。このコンデンサはマザーボード上に配置され、電力の保持や電圧の調整という役割を果たしている。
「時間が経つことでコンデンサが膨張する可能性があり、その場合、PCが起動しなくなる。このコンデンサの問題により、安全上のリスクやデータロスは発生しない」とBlackburnはコメントする。
Blackburnによれば、Dellはさまざまなベンダーからコンデンサの供給を受けており、どのベンダーの責任かを特定することはコメントできないという。
Dellは、当該のコンデンサを搭載したOptiPlexの出荷を停止しており、いつ、どこで製造されたPCかを特定することも断っている。同社では現在、影響を受けた製品交換のために現地訪問を行うところだと、同氏は述べる。
「われわれは、製品全体のリコールは発令しない。なぜなら、この問題を持つOptiPlex製品はごく少数の割合でしかないと判明しているからだ」とBlackburnは説明する。
OptiPlexが、コンデンサの膨張問題で影響を受けたのは今回が初めてではない。Dell Community Forumのメンバーが今年2月、不良コンデンサ問題について指摘している。同フォーラムでは、不良コンデンサが原因で「断続的なシャットダウン、温度によるシャットダウン、ビデオ再生の失敗」が発生するという投稿が行われていた。
あるDell Forumのメンバーが投稿した写真では、側面に「1500 hF 6.3 v」と刻印され、黒と金で塗装された2個の膨張したコンデンサが紹介されている。コンデンサは「SMSC(Standard Microsystems製のネットワークチップ)」とラベルのあるマイクロコントローラの隣に位置している。
同フォーラムの他の投稿者らによれば、問題のコンデンサを搭載したマザーボードは浮き上がり、液漏れや液の凝固を起こしていると報告している。
何人かのメンバーらは最良の対策として、単純だが時間のかかるマザーボードの交換を推奨している。
こうしたコンデンサによる問題がIT業界全体にわたって存在するかどうかについて、PCメーカー各社に回答を求めたが、すぐに返事を入手することはできなかった。
同問題に近い筋のある人物によれば、Dellのコンデンサ問題は、OptiPlex内で使用されているIntelプロセッサとは無関係と思われるが、一部の台湾部品メーカーから供給される部品で同様の膨張問題の発生が報告されているとコメントしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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