IBMは、数百万ドル規模の新型スーパーコンピュータ「Blue Gene/L」を、人の脳の仕組みをシミュレートする研究向けに納入した。
IBMは米国時間6日、スイスのローザンヌにあるローザンヌ連邦工科大学(Ecole Polytechnique Federale de Lausanne:EPFL)に、「Blue Brain」と呼ばれるスーパーコンピュータを納入し、同社の専門家をこの研究プロジェクトへ参加させることを発表する予定だ。
同大学の研究プロジェクトでは、2年をかけて、新皮質と呼ばれる脳の主要部分を電気化学的にシミュレートする立体モデルを開発していく。また、脳の他の部分のシミュレーションも行い、いずれは脳全体を対象とする予定だ。同研究では、知覚/思考/記憶などのプロセスを理解し、脳の回路の不全が自閉症や統合失調症などの問題を引き起こす仕組みを解明したいと考えている。
今回の取引の条件は明らかにされていない。EPFLが購入したBlue Geneは4ラック構成のモデルだが、IBMでは1ラックあたりの価格を200万ドルとしている。各ラックは、複数の高速通信ネットワークで接続されたPowerプロセッサを1024基搭載している。同システムは今月中に納入される予定だ。
IBMは、研究プロジェクトとしてスタートさせたBlue Geneを2004年に商用化して以来、これまでに複数のモデルを販売している。またIBMは、同社が所有するマシンの処理能力を顧客にレンタルするサービスも行っている。Blue Geneシステムは現在、半導体、物理学、およびたんぱく質に関する研究などでも使用されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」