ボストン発--Linuxベンダー最大手のRed Hatは米国時間15日、プレミアム版Linuxの最新バージョンを発表した。これにより、同社はライバルのNovellを一気に抜き去り、またSun Microsystemsから顧客を奪う取り組みを拡大させた。
Red Hat Enterprise Linuxバージョン4(RHEL 4)は、2.6カーネルを初めて搭載したRed Hatの商用版Linux。同社の以前のバージョンにも2.6カーネルの一部の機能が含まれていたが、通信やメモリサブシステムの機能を強化した完全版を搭載したのは、昨年8月に登場したNovellのSuSE Linux Enterprise Server 9が初めてだった。
しかし、Red Hatの形勢が不利になったわけではないようだ。IlluminataのアナリストGordon Haffは、「NovellはRed Hatが2.6カーネルで後れを取っていることを大きく騒ぎ立てた。これでSuSEは米国企業に浸透するかに思われたが、実際にはそうならなかったようだ」と述べている。
Robert Frances GroupのアナリストStacey Quandtも同意見で、「大半の顧客は待つことを選んだ」と述べた。
Red Hatは15日、当地で開催中のLinuxWorld Conference and Expoで新製品を発表したが、同社幹部は14日にすでに同製品の説明を行っていた。
Red HatのPaul Cormier(エンジニアリング担当エグゼクティブバイスプレジデント)は、RHEL 4の重要な新機能として、Security Enhanced Linux(SELinux)の搭載を挙げた。NSA(米国家安全保障局)が開発したこの機能は、さまざまな計算処理プロセスに対してかなり詳細に特権を割り当てることで、システムの一部に危害を加えた攻撃者が、マシン全体を乗っ取ることを困難にするもの。
Cormierによると、SELinuxはデフォルトで有効になっており、ウェブサイトをホスティングするApacheなど、ネットワークサービスを提供するソフトウェアはセキュリティ設定が厳しくなっているという。
新バージョンには、Firefoxブラウザ、ストレージシステムを複数のハードディスクに分散したりハードディスクの一部に限定するLogical Volume Manager(LVM)2、Microsoft Exchangeサーバから電子メールを取得するためのコネクタ、シリアルATAハードディスクのサポート、そして大半のデジタルカメラを認識する機能なども搭載されている。
同社はさらに、SunのSolarisが動くサーバをコントロールできるよう、Red Hat Network管理サービスの拡張を進めている。SolarisからRed Hat Linuxへの移行中に利用できる管理ツールを顧客が望んだ、とCormierは語っている。
RHEL 4は、32ビットおよび64ビットのx86系サーバにそれぞれ対応するバージョンや、 IntelのItaniumチップ搭載サーバ向け、そしてIBMのPowerチップ搭載サーバやメインフレーム向けのバージョンも用意されており、またデスクトップPCやワークステーション、1ないし2基のプロセッサを積んだローエンドサーバ、そして4基以上のチップを搭載するハイエンドサーバ向けのものなど、さまざまなバージョンが揃っている。
Cormierによると、RHEL 4ではRHEL 3に書かれたソフトウェアも動作するという。
年間サポート契約をカバーする料金はRHEL 3の時と変わらず、たとえばデュアルプロセッサ搭載サーバ向けのRHEL 4 ESの場合、標準のサポート付きで年間799ドル、また4プロセッサ搭載サーバ向けて、プレミアムサポートが受けられるRHEL 4 ASは年間2499ドルとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス