サンフランシスコ発--Microsoftが、「Windows Vista」の発売に向けて、大々的なキャンペーンを準備している。同社では、「Windows 95」を発売したときのようなお祭り騒ぎを再び起こしたいと考えているようだ。
Microsoftの会長Bill Gates氏は、10年前にWindows 95を売り出した時と同じくらいの大きな成功をWindows Vistaでも収めるように、Windowsマーケティングチームに命じている。Windows 95の発売時には、小売店の前に同OSを買い求める客が列を成したものだった。具体的なマーケティング予算は、Microsoftの会計年度が終了する6月まで決定しないが、Vistaを担当するプロダクトマネージャーのDave Block氏によれば「いずれにしろ、Microsoftではこの目標に向かって作業を進めている」という。
Block氏は当地で開催中の「Intel Developer Forum」で基調講演を行い、ワシントン州レドモンドにあるMicrosoftの本社には、Windows Vistaの販促を行う専門のチームが設けられていることを明らかにした。このチームでは、同OSを話題性の高いものに仕立てたり、Oprah Winfreyが司会を務めるトーク番組「Oprah's Favorite Things」で取り上げられるように計画を練ったりしているという。
Blockは「果たしてMicrosoftは、Oprahが気に入るような斬新なPCを用意できるだろうか」と参加者に問いかけ、「その答えはイエスだと、私は考えている」と付け加えた。
Windows Vistaの販売に関して、Microsoftでは、企業や個人によりハイエンドなバージョンを販売したいと目論んでいる。Microsoftは先週、同社がWindows Vistaとして提供するエディションが「Ultimate Edition」を含む6種類になることを明らかにした。Ultimate Editionは、企業向けバージョンと消費者用バージョンの最良の部分を組み合わせたものになる。
Microsoftでは、発売から24カ月以内に4億台以上のPCで新OSが使われるようになると見込んでいる。さらに、この時点で稼働しているWindows Vistaの半数以上がハイエンドバージョンになることを、同社では目標にしていると、Block氏は述べた。
「発売から24カ月後には、50%以上のマシンでWindows Vistaのプレミアム版が稼働していることを願っている。このハードルは、Windows XPで実現した数字よりもはるかに高い」(Block氏)
ハイエンド版を売り込むために
消費者により高価なバージョンを購入してもらえるか否かは、Microsoftの業績に直接跳ね返ってくる。
Microsoftは(新OSの販売を成功させるために)、現在あまり利用されていない用途を宣伝し、Windows Vistaを売り込んでいる。具体的には、企業向けには8つ、そして個人向けには6つのシナリオを同社は用意している。
Microsoftが消費者に訴えかけるのは、デジタルメモリーやテレビ、映画、ゲーム、音楽、コミュニケーションに関連する機能だ。また、中小企業向けには、バックアップ機能とセキュリティが強化されている点や、営業やマーケティングを支援する機能やコラボレーション、モバイル関連の機能が改善されていること、財務管理のハブとして活用できることを売り込んでいく。そして、大企業に対するセールスポイントは、マシンの管理やセキュリティの維持、各種ルールの適用、情報アクセス管理のし易さ、オフィスの分散に対応した機能などになる。
「特別に難しい理屈をこねて(Windows Vistaを)売り込むつもりはない。(Microsoftが売り込む)機能はすべて、従来からコンピュータユーザーが欲していたものだ」とBlock氏は述べ、「ただ、Microsoftは現在、こうしたエクスペリエンスをうまく提供できていない」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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