IBMとSCO Groupとの間で長い間続いている法廷闘争は、米国時間21日にIBMがIT関連企業4社に召喚状を送付したことで新たな展開を見せた。この裁判は、IBMがLinuxに提供したソースコードのなかにSCO Groupの知的財産を侵害する部分があるとの主張を巡って争われているものだ。
この裁判を審理するユタ州の米連邦地方裁判所に提出された召喚状によると、Microsoft、Hewlett-Packard(HP)、Sun Microsystems、BayStar Capitalは、SCOとの関係に関する詳細な情報を提出しなくてはならないという。
一方IBMは、同社がSCOの保有するUNIXのソースコードを自社で開発したLinux用ソースコードに組み入れたとの主張に対する答弁の準備を進めている。
この召喚状は、Microsoft、HP、Sun、そしてBayStarの各社に対し、SCOとの取り引きの詳細を含む各種の情報を3月7日までに提出するよう求めている。各社はさらに、3月後半に裁判所に出廷し、宣誓証言も行わなくてはならない。
この裁判を詳しく追ってきた法律情報サイトGroklawは、この召喚状を公開し、これが重要な情報を明らかにするのに役立つとしている。
Groklawを運営するPamela Jonesは、「さまざまな疑問がこれでようやく明らかになる」と書いている。
SCOは2003年3月、IBMがLinuxプロジェクトに提供したコードの中にUNIXのコードを組み入れた疑いがあるとし、知的財産の侵害を主張して訴訟を提起した。しかしその後、UNIXの著作権を保有しているのはSCOではなく自社の方だとNovellが主張したことで、SCOが別の訴訟を提起した。さらに、2003年8月にはIBMがSCOを逆提訴していた。
21日に提出された召喚状は、IBMが答弁に向けた証拠を集める開示手続きの一環となっている。
Microsoftへの召喚状には13項目にわたる要求があり、MicrosoftとSCOが関与するあらゆるUNIX製品関連契約の詳細や、両社間のすべてのやりとりの提出などが求められている。米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、Microsoftは、後に1660万ドルに達するUNIXのライセンス料を2003年初頭からSCOに払い始めているという。これに近い金額を支払っているのは、以前からUNIXに力を入れており、930万ドルのライセンス契約を結んだSunだけだ。Microsoftはさらに、2003年の8月もしくは9月にも、SCOをBayStarに紹介して5000万ドルの資金調達を実現させ、直接ではないものの同社を再度大きく支援している。
Sunも、同社とSCOが結んだUNIXソースコード関連の契約やライセンスについて詳細を明らかにしなくてはならない。また、自社のあらゆるUNIX製品のオープンソース化やLinuxの開発へのSunの関与に言及したすべての書類も提出する必要がある。
HPは、「HPやAT&T、USL (Unix System Laboratories)、Novell、Santa Cruz (Operation) 、SCOの各社が関与した、すべてのUNIXソフトウェア製品に関連する契約」の詳細を法廷に提出するよう命じられている。また、HPがUNIX関連で支払ったすべてのロイヤリティや、同社がオープンソース化したり一般に公開したUNIXのソースコードの出所についても詳細の提供を求められている。さらに、2002年6月28日以降にHPがSCOと行ったやりとりについても開示する必要がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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