米SCO Groupが、自社のUNIX関連特許について不正使用があったとして、コンピュータメーカーなどにロイヤリティーの支払いを求めている件で、米Sun Microsystemsと米Hewlett-Packard(HP)は、「我々に影響はない」との見解を示している。
SCO Groupは数年前にUNIX関連の特許を取得しているが、そのソースコードの一部がLinuxに流用されているとして、パソコンメーカーや、Linuxを使用する大手企業に対して、ロイヤルティの支払いを求める請求状を送付した。また同社は現在、UNIX技術の特許侵害を巡って米IBMと係争中である。
Sun会長のScott McNealyは、過去にUNIXに関する包括的提携を結んでいることを理由に、SCO Groupの抗議にSunは該当しないと語る。「我々は10年前、Solaris事業に必要なUNIXの知的所有権(IP)を取得するため、膨大な金額を支払った。つまり、我々は完全なSCOライセンスを所有している。Solarisを利用している企業は、SCO Groupからの請求状を受け取ることはない」(McNealy)
SCOの請求状に対する各社の対応は、Linuxとの法的・商業的関係に応じて異なる。例えば、Sunは自社サーバの大半でSolarisを販売している。Intelベースのサーバで稼動するSolaris X86はLinuxアプリケーションとも互換性があるが、McNealyはそれについて、「(知的所有権の)責任を負うものではない」と語る。ただし、Sunは5月19日、Red HatバージョンのLinux配布を表明している。
一方、HPはLinuxサーバを販売しており、ProLiantサーバの15%がLinuxを搭載している。HPのindustry standard servers部門のマーケティング・バイス・プレジデント、Hugh Jenkinsは、「Linuxサーバの売上は2006年まで、1年に30%ずつ増大していく」と語っている。
この結果として、HPは、SCO Groupの訴えの正当性と、その主張がHPに適用されるかどうかに疑問を呈している。「HPは、Linuxに関して、いかなる知的所有権の侵害も認識していない。SCO Groupの訴えは、IBMが適切でない行為を働いたとの疑いに基づいており、LinuxそのものがSCO Groupの知的所有権を侵害したという類のものではない」(HP)
こうした動きに対し、米Microsoftは米国時間5月19日、「訴訟を回避するため、SCO Groupへロイヤリティを支払う」との声明を出した。Microsoftは、LinuxをWindowsのライバルOSとみなしており、Linuxは販売していない。しかし、同社では「UNIXとWindowsの相互運用性に係わる潜在的責任から身を守るため、ロイヤルリの支払いを決めた」(同社)といっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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