2002年に書かれた1通のメールがウェブ上で公開された。そのメールには、SCO Groupが社外コンサルタントに依頼して調査を行なった結果、Linuxのなかに著作権で保護されたUnixコードが含まれていることを証明するものは何も発見できなかった、と書かれている。
このメールは、SCOのシニアバイスプレジデントがSCOのあるエンジニアから受け取り、それをさらに同社のCEO、Darl McBrideに転送したものだ。2002年8月13日付けのそのメールの中で、メールを書いた本人であるエンジニアのMichael Davidsonは、「結局、われわれは何も発見できなかった。つまり、著作権侵害の証拠は何一つ存在しなかった」と述べている。
このメールは米国時間14日に、インターネット関連の法律問題を扱うウェブログ「Groklaw」で掲載された。
SCOは2003年に、同社が知的財産権を主張するUnix技術をIBMが不正流用したとして、IBMに対する10億ドル以上の損害賠償請求訴訟を提起した。
SCOの広報担当はCNET News.comの取材に対し、たしかにこのメールは本物だが、SCOの調査がいつ行なわれたかや、どのようなツールが使用されたかについては何も書かれていない、と語った。
SCOの広報担当、Blake Stowellは、「そのメールには、(様々な疑問に対する)答えが書かれているが、おそらくそれよりもはるかに多くの疑問を生み出している」と述べ、さらに「われわれの対策は万全だが、必要ならば法廷の場で対応する用意がある」と語った。
一方、IBMの広報担当はこのメールに関するコメントを控えた。
Davidsonは問題のメールのなかで、自身の調査結果をシニアバイスプレジデントのReg Broughtonに報告している。Broughtonはその後、そのメールをMcBrideに転送した。
Davidsonはこのメールのなかで、「LinuxおよびGNUソフトウェアの大半は、どこかで誰かがプロプライエタリのUnixソースコードをコピーしなくても開発可能だったことをSCOの幹部らが信じようとしなかった結果、このプロジェクトが行なわれることになった」と述べ、さらに「Red Hatおよび/または他のLinux企業が使用していたコードのなかに、われわれにとってプラス材料となる『動かぬ証拠』を発見できることを願っていた」と付け加えている。
このメールには調査の詳細については書かれていないが、同調査がSCOの雇ったコンサルタントのBob Swartzによって行なわれたと、Davidsonは明記している。
Davidsonはこのメールに次のように書いている。「(SCO幹部が)社外コンサルタントに調査を依頼した理由は、すでに私が(SCO自身のソースコードに関する極めて詳細な知識とLinuxその他のオープンソースプロジェクトに関する幅広い見識に基づいて)調査は時間の無駄であり、これ以上継続しても何も発見できない、との意見を述べていたからだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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