Microsoftは2006年、いくつもの難問に直面することになりそうだ。中でも困難なのが、「Windows Vista」をエンタープライズ製品として位置づけるという課題である。
多くのアナリストを擁するDirections on Microsoftは先週、Microsoftが2006年に取り組まねばならない事柄のトップ10リストを発表し、その第1位にWindows Vistaのマーケティングを挙げた。
同社は発表した報告書の中で、「Windows Vistaは大規模な組織に対し、ソフトウェア環境やセキュリティ、信頼性、システム管理およびユーザーインターフェースの改善をもたらすと考えられる」と述べ、「だが現時点では、あか抜けたグラフィック効果やコンシューマ向け機能ばかりが公開されており、IT管理者は興味を失っている可能性がある」と指摘している。
Microsoftが取り組むべき課題を報告書の順序どおりに紹介すると、次のようになる。
-
新たなハードウェアの購入を待たずにWindows Vistaを導入すべき理由を、企業顧客に提示する。
-
Windowsアプリケーションの開発において、ソフトウェアのバグやセキュリティ上の脆弱性を減らすための明確なガイドラインを公開し、運用する。
-
マネージドソリューション分野に参入する目的を明らかにし、同ビジネスのどの部分をパートナーに委託するのかはっきりさせる。
-
開発者に対し、Vistaをサポートする次世代の基本開発ツールを早急に提供する。
-
新たな広告用プラットフォームを立ち上げたり、そうしたサービスについて小規模企業に説明したりといったオンライン戦略に、「目鼻を付ける」。
-
ERP戦略に一貫性を持たせて、パートナーが新たに「Dynamics」と命名された同製品ラインをサポート/販売し、新規顧客の取り込みを行えるよう環境を整える。
-
ソフトウェアを管理するためのソフトウェアの新しい標準となる可能性のある、「Dynamic Systems Initiative」構想を推進する。また、「Systems Definition Mode」などのコンポーネントのドキュメント作成にも力を入れ、開発者向けの関連ツールを開発/推奨する。
-
製品リリースに関するポリシーを確立し、その遵守を徹底する。
-
競争力を維持するため、「Xbox 360」の高価格を是正し、コンシューマの心をつかむ魅力的なゲームソフトを提供する。また、Xboxの供給不足や発売開始当初に見られた不具合を解消する。
-
同社のソフトウェアメンテナンス用ライセンス「Software Assurance」を、実際の製品リリースサイクルと合致させる。