Microsoftが、CRMソフトウェアのアップデートを発表した。同アップデートには、サブスクリプション方式の価格体系が初めて採用されている。
米国時間5日にリリースされた「Dynamics CRM 3.0」は、顧客情報を追跡/管理するためのソフトウェアだ。MicrosoftのCRM製品ライン担当ゼネラルマネージャBrad Wilsonによれば、同ソフトウェアにはマーケティング管理およびサービススケジューリング機能などが新たに搭載され、同社のOfficeデスクトップソフトウェアとの緊密な連携も図られているという。
開発に約2年を費やした今回のアップデートでは、ホスティング版も用意されており、Microsoftのパートナー企業がウェブ上のサービスとして提供する予定になっている。Microsoftは、ユーザーが自社のサーバにインストールして利用する従来のバージョンも、引き続き販売するとしている。
Salesforce.comや、データベース大手Oracleが買収する予定のSiebel Systemsといった、CRM市場におけるMicrosoftの競合社は、すでにCRMのホスティングを行っている。一方、IT業界の有力企業SAPは、自社製品のホスティング版をまだ提供していない。
Microsoftは、今回のソフトウェアアップデートで新たなプロフェッショナルエディションの提供を開始し、より大規模な企業を対象とする意向を明らかにしている。同製品によりMicrosoftは今後、SAPやOracleと直接的に競合していくことになる。
Microsoft製品のホスティング版の価格はパートナー企業が設定するとWilsonは述べている。ユーザーは、「任意の期間に利用した分量に応じて、CRMホスティングの使用料を支払う」ようになるという。Microsoftは、パートナー企業から月額料金を徴収していく。同ホスティング版は、2006年1月からパートナー企業に対して提供が開始される予定だ。
Wilsonは、各地域の特性や金融サービスなどの業界の特殊性に合わせ、パートナー企業が行うカスタマイゼーションの程度によって、ホスティング版の価格は変わると見ている。
ホスティング版には、2種類のバージョンが用意されている。1つは、大規模企業向けのプロフェッショナルエディションで、料金は1ユーザー当たり622〜880ドル、1サーバ当たり1244〜1761ドルとなる。もう1つのスモールビジネスエディションは75ユーザーまで利用でき、1ユーザー当たりの料金は440〜499ドル、1サーバ当たりでは528〜599ドルである。
Microsoftはこうした事業計画に力を入れて取り組んでいるが、有力な競合企業との戦いには苦戦している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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