Smithは、ユーザーのPCには数年分のメッセージや返信内容が保存されていることも多く、PCがそれだけよくユーザーのことを知っていると指摘する。「PCに保存されているメールの情報量は、17〜18世紀当時の日誌係が一生かかって記録した情報よりも多い」(Smith)
SNARFは、メッセージがユーザー宛に直接送られてきたのか、CCされてきたのか、あるいはメーリングリスト宛てのものが来たのかなどを手がかりに、受け取ったメッセージを分類できる。
このようなアプローチは大量のメッセージを整理するのに役立つが、決して完璧なものではない。Smithは、自分にとって重要なすべての人が返事をくれるわけでもない点を指摘している。「残念ながら、母は私の電子メールに絶対返信しない」(Smith)。ただし、母子関係に特に問題があるわけではない、と同氏はすぐに付け加えた。
Smithによると、ソーシャルソーティングのテクニックがMicrosoft製品に実装される可能性はかなり高いという。同氏は、Outlook、Exchange、Hotmail、そしてOutlook Expressを担当するチームからよい感触を得ていると述べている。「われわれは、何度もミーティングを重ねている」(Smith)
SNARFの研究チームでは今のところ、このソフトウェアを公開し、だれでもダウンロードして試せるようにしている。Microsoftも、SNARFがOutlook 2003とWindows XP Service Pack 2に完全対応することを正式に明らかにしている。Smithは、さらにおそらくほかのソフトウェアでもSNARFが使われる可能性を示唆している。SNARFを動かすには「.NET」フレームワークも必要だが、これがコンピュータにインストールされていない場合は、SNARFが自動的にインストールするという。
Smithは、SNARFプロジェクトをさまざまな方向に拡大しようとしている。たとえば現行バージョンでは、1年に1回しか電子メールをやりとりしない友人を「重要」に指定するようなことができない。
Microsftでは、ユーザーがさまざまなやり方でメッセージにタグ付けできるようにする機能の追加も検討している。「われわれは、その点に関しさまざまなアイデアを探っている」(Smith)。同氏はさらに「これは非常に重要な方向性だ」と付け加え、Outlookの次のバージョンには新たにタグ付け機能が追加される予定であるとした。
また、SNARFを携帯電話に応用することも良い考えだと同氏は言う。「コンピュータでなければ、150通ものメールを整理するのはたいへんだ。同僚からのメールだけが別のフォルダーに入っているようになれば素晴らしい」(Smith)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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