日立製作所は11月4日、実際に走行する複数の自動車(プローブカー)から集めたデータなどにもとづいて交通情報を予測する新技術を開発した。同社では「交通量などのデータが欠損している場合でも、従来よりも広い地域で高精度な交通情報を予測可能で、目的地までの経路検索や所要時間予測などに適用できる」としている。
プローブカーとは、ブレーキやワイパーの作動状況、速度、走行位置といった情報を無線ネットワークなどで送信する自動車。複数のプローブカーから得たデータを組み合わせて分析すると、渋滞の状況などが把握できる。同社の開発した技術は、プローブカーから日々得られる情報を主成分分析と呼ばれる統計手法で約20種類のパターンに分け、それをカレンダーのデータと合成して交通情報の予測データを生成する。
プローブカーの台数は有限であるため、プローブカーだけで交通情報予測を必要とする全経路をカバーすることは通常できない。しかし、主成分分析はサンプルデータとの相関関係にもとづいて欠損データを補うため、プローブカーから収集されるデータの欠損率が8割といった状態でも、高精度な予測情報の生成が可能という。
同社は、11月6日から10日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催される12th World Congress on Intelligent Transport Systems(第12回ITS世界会議)で、同技術の詳細を発表する予定だ。
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