Sun Microsystemsは「Solaris 10」の最初のアップデートを年末までにリリースする計画だ。このアップデートでは、起動プロセスの大幅な見直しや、ソフトウェアアップデート機能の追加、そして、パフォーマンスの改善が実施されるという。
SolarisのマーケティングディレクターChris Ratcliffeは、「Solaris 10向けの最初のアップデートを年内に出荷する」と語った。Sunは自社のオペレーティングシステム(OS)を約四半期毎にアップデートしているが、新しいメジャーバージョンのリリース後6〜12カ月はアップデート作業に取りかからないという。
Sunは1月にSolaris 10をリリースし、基盤ソースコードの公開を6月から開始した。どちらも、同OSがLinuxに奪われた輝きと適性を取り戻し、Hewlett-Packard(HP)の「HP-UX」やIBMの「AIX」と比較したときの評価を高める取り組みにとって重要な意味を持つ措置だった。
今回のアップグレードで追加される主な新機能の1つにNewboot起動プロセスがある。この機能は、Intelの「Pentium」や、Advanced Micro Devices(AMD)の「Opteron」といったx86プロセッサを搭載したコンピュータのユーザーの間では大きな話題となっている。Newbootは、起動処理の最初の段階でLinuxの大半のバージョンと同じGrubソフトウェアを利用し、同一コンピュータ上における複数OSの運用を容易にする。さらに、Newbootは、ブートプロセスにおける多様なハードウェアの利用も簡単にする。
Ratcliffeによると、最初のアップデートにはNewbootのほかにも多数の変更/追加があるという。Sunは「Sun Update Connection」ソフトウェアを完全に統合した。Sun Update Connectionは、ソフトウェアアップデートの公開をユーザーに通知し、任意でインストレーションするためのソフトウェアである。現在、同ソフトウェアは、OSとは切り離された1つの機能となっている。
Solarisのアップデートでは、メモリのパフォーマンス、ネットワーキングのパフォーマンス、そしてハードウェアのサポートも改善されると、Ratcliffeは付け加えた。
しかし、かねてからの予測通り、Linux用ソフトウェアをIntel Xeonなどのx86版Solaris上で動作させる「Janus」と、ストレージデバイスへのファイルの書き込み処理を管理する「Zettabyte File System(ZFS)」という、Solarisの2大機能は2006年まで持ち越しとなった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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