Intelは米国時間19日、携帯電話や携帯端末で使われるバッテリの無駄を現行レベルの最大1000分の1に低減するための新しい技術を発表した。「低消費電力化」は、同社が最近掲げる目標である。
Intelプロセッサが実際の計算処理に使う電力は、わずか半分に過ぎない。残りの半分は、マシンが低消費電力のスリープ状態にある時に、トランジスタで発生する漏れ電流で消費されてしまうと、Intelは語っている。
Intelによると、同社の65ナノメートルウエハ製造プロセスの新バージョン(同社内呼称:P1265)は、バッテリの余分な電力消費を防ぐことにおいて、同社の現行プロセスより優れているという。
新しいプロセスは、「Merom」などの次世代プロセッサの投入と時期を同じくする2007年に、Intel製チップの大半に影響してくる予定。Meromは、IntelのPentiumモバイルチップの10分の1しか電力を消費しない設計となっている。
IntelのシニアフェローMark Bohrは、「一部のチップではトランジスタの数が10億個を超えており、個々のトランジスタの改善がデバイス全体の大きなメリットにつながるのは明白だ」と語っている。
より効率的な低消費電力プロセッサの製造は、今年8月にサンフランシスコで開催された「Intel Developer Forum」でIntel幹部が明らかにした大きなテーマの1つだった。同社最高経営責任者(CEO)のPaul Otelliniは基調講演で、最低0.5ワットの低消費電力で動作し、x86コードを実行できる新しいアーキテクチャを2010年までに用意する、という目標を発表した。この数値は、現在発売中で最も消費電力の低い製品の約10分の1になる。
半導体関連調査会社In-Statの主任アナリストKevin Krewellによると、これは、携帯型ハンドヘルド通信機器に自社のプロセッサをもっと売り込もうというIntelにとって重要なステップだという。
「この技術自体は初めて導入されるものではないが、Intelがこのような特性に向けてプロセスを導入するのは初めてだ」(Krewell)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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