インテル、携帯機器用プロセッサへの取り組みを強化

Michael Kanellos(CNET News.com)2005年08月19日 08時00分

 Intelは、携帯端末や家電製品向けにx86ベースのチップを開発する計画を進めているが、このほどこの計画に関する詳細が明らかになった。

 Intelは、LPIA(Low Power Intel Architecture)というプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトでは、携帯端末やマイクロPCなどの機器向けに、低消費電力のx86プロセッサやソフトウェア、コンポーネントを開発していく。また、同社は試作品のチップを搭載した携帯電話や携帯ビデオプレイヤーのコンセプトモデルも開発した。

 「われわれは、単位電力あたりのパフォーマンス向上を目標とする多くのプロジェクトを進めているが、これはそのなかの1つだ」と、同社の関係者は説明した。

 Intelの幹部らは昨年、同社がx86プロセッサをベースにした低消費電力版の派生チップを開発していることを明らかにしたが、しかし家電機器への採用を想定したこれらのチップについて詳しいことは語らなかった。そのため、開発グループの名前やパフォーマンスの目標、試作品の存在の有無などはわかっていなかった。

 情報筋によると、LPIAの詳細については来週開催されるIntel Developer Forumで公表される予定だという。

 該当のテーマに関するIntelのホワイトペーパーによれば、理想的には、こういったチップを搭載した300立方センチメートルの体積の携帯端末であれば、平均的な使用条件下で8時間以上稼働するようになるという。さらに、そのような機器では最大でも5ワットしか電力を消費しないという。なお、この研究はIntelのSystems Technology Labsで進められている。

 Intelの研究員Ram Charyは、LPIAプロジェクトに関するホワイトペーパーのなかで、「携帯端末や組み込み機器は、いつか本物のコンピュータシステムを小型化したものとなるだろう」と述べている。「これらの機器は、音声認識や画像認識といった複雑な作業をこなす上で必要となる十分なコンピューティングパワー、メモリ、ストレージを保持するようになる。将来的には、小さな機器であっても、(その機器の大きさに比して)大きな表示画面、オーディオ、イメージ処理能力、そしてさまざまなセンサー技術を搭載するようになる」(Chary)

 Intelは過去数年間で、チップの消費電力を削減する数多くの手法を開発してきた。同社はまた、ディスプレイなどの部品の消費電力を減らしたり、バッテリやその他の電力源に利用される技術を向上させようという業界全体の取り組みの先鋒を務めてもいる。

 しかし、システム全体の消費電力を最大5ワットにまで削減するのは容易なことではない。今日販売されている超低電圧版のPentium Mは、平均消費電力こそ1ワットに満たないものの、サーマルシーリング--すなわち最大消費電力は5.5ワットとなっている。この数字には、プロセッサよりも多くの電力を必要とするディスプレイやハードディスクの消費電力は含まれていない。なお、通常のPentium Mのサーマルシーリングは27ワットとなっている。

 消費電力の削減は発熱処理の点でも非常に重要だ。冷却ファンが付いた携帯電話を欲しがるユーザーなどいないため、これらのチップを搭載するチップは安心して使えるレベル--つまりふつうのオフィスビル内の温度に近い摂氏25度程度で動作する必要がある(このホワイトペーパーによると、最高で摂氏50度にもなる端末ではたいていのユーザーが不安を覚えるという。また摂氏55度ではやけどをする可能性がある)。

 この市場に向けてx86チップを投入することで、Intelは2つのメリットを手に入れることになる。その1つは、さらに多様なマシンに自社のチップを搭載させることが可能になるという点だ。Intelのプロセッサは、現在でも携帯端末に広く採用されているが、市場規模ではるかに上回る携帯電話にはあまり採用されていない。

 2つめのメリットは、Intelが現在この市場向けにXscaleプロセッサを販売していることと関係がある。Xscaleチップは、もともと英ARMからライセンスを受けて設計したものであるため、それに代えてx86チップを販売できれば、Intelはライセンス料を支払う必要がなくなる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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