一方、Fedora版LinuxをPowerPCマシンに移植するプロジェクトでは、今後もPowerPCのサポートを続けると、同プロジェクトの主任プログラマーColin Charlesは述べている。
「たとえ、あと2年程度しか本来の使い方ができないとしても、プロジェクトを中止するつもりはない。それ以降はIBMの大型コンピューター専用にするだけの話だ。一般ユーザー向けのApple製品が2年ほどでなくなってしまうのは悲しいことだが、それでもIBMのハードウェアがなくなることはないだろう。チップの切り替えは大きな間違いだと思う」(Charles)
Appleの離脱は、公の場で大々的に宣言された。同社CEOのSteve Jobsは、6日に行ったWorldwide Developer Conferenceの基調講演のなかで、PowerPCの製造に対するIBMの姿勢を痛烈に非難した。なかでも、Appleが約束した3GHzのPowerPCプロセッサや最新のG5チップ搭載ラップトップを投入できなかった点が強調されていた。
「素晴らしい製品をいくつも思い描き、皆さんのために作りたいと思っている。だが、将来に向けたPowerPCのロードマップを見るとそれができない」(Jobs)
これに対して、IBMは調査会社In-Statのデータを引用し、ゲーム機市場の規模が今年の350万台から2008年には3350万台まで成長するとの予測を発表した。同市場で首位を行くソニーは、来年発売予定のPlayStation 3にCellチップを採用することになっている。また、今年後半に登場するMicrosoftのXbox 360にも、「Waternoose」(開発コード名)というPowerプロセッサベースのチップが搭載される。
IBMでは、Cellがゲーム機以外の用途にも採用されることを期待しており、そのためにPowerチップ搭載コンピュータ用に、オープンソースのファームウェアをリリースしている。
同社はまた、Powerチップ関連のソフトウェアの仕様を公開し、プログラマが独自の構造をもつCellの機能を使いこなせるようにしている。Cellには、Powerプロセッサベースのコアが1基と、それぞ補助する8基の専用コアを搭載されている。ゲーム機ではこの8つのヘルパーコアがグラフィクス関連のタスクを処理するようになるが、IBMではプログラマがこれらのコアを暗号化や画像処理など他のタスクに使えるようにしたいと考えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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