CNET News.comが入手した情報によると、IBMは新チップセットでIntelのItaniumプロセッサをサポートしないことにしたという。ItaniumはPowerプロセッサと競合するため、同社ではこれまでもあまり熱心に同チップをサポートしていなかった。
サーバ販売世界最大手の同社は、市場の需要が芳しくないことを理由に、自社製Itaniumサーバの心臓部となるチップセットの開発を当面中止することにした。
IBMは、Enterprise X Architecture(EXA)チップセットファミリーの開発を1998年から進めてきた。チップセットとは、中央演算装置(CPU)と、メモリなどの各種パーツとを接続する重要な部品。EXAは、IntelのXeonファミリープロセッサもしくはハイエンド向けのあまり普及していないItanium 2に対応可能となっている。
しかし、米国時間22日に発売されたX3という第3世代のEXAチップセットファミリーはXeonだけをサポートしていると、IBMのxSeriesサーバ製品担当CTO、Tom Bradicichは語った。
「X3では(Itaniumのサポートを)見合わせた。Itaniumがあまり市場で受け入れられていないためだ」と、Bradicichは22日に行われたインタビューのなかで述べた。ただし、同社では、Itaniumへの需要があれば後継機種のX4で再びサポートする可能性があると、同氏は付け加えた。
IBMがPowerプロセッサの売り込みに力を入れていることを考え合わせると、同社がItaniumを強力に支持していないことも驚くにはあたらない。IntelはItaniumで2種類のメジャーなRISCチップのシェアを奪おうとしているが、Powerプロセッサはそのうちの1つだ。それでも、IBMによるItaniumのサポート中止は、顧客が一般的にXeonプロセッサの方を好むことを示す新しい証拠といえる。Itaniumは64ビット機能拡張を最大の売りにしていたが、いまではXeonも64ビット対応となったため、特長を失いかけている。
「Intelはかつて、Xeonユーザーが同チップの限界を感じ始めたときに、自然にItaniumへ移りたいと考えるとの移行戦略を描いていたが、まず64ビット対応の(AMDの)Opteronが出て、さらにXeonも64ビットに対応したことが主な原因となり、この戦略が崩壊してしまった」と、Pund-ITアナリストのCharles Kingは述べている。
これに対し、Intelは違った見方をとっている。同社は、世界の大企業上位100社のうち40社がItaniumサーバを利用していると指摘する。「(代替を狙う)RISCチップの市場、それにメインフレームからの移行、さらに高性能コンピューティングの分野を合わせると、210億ドルの規模になる。このことから、Itaniumには非常に大きなチャンスがあるといえる」と同社広報担当のErica Fieldsは述べている。
Silicon Graphics、NEC、富士通、日立、Unisys、そしてItaniumを共同開発したHewlett-Packard(HP)など、Intel以外にも複数のベンダーが独自のItanium用チップセットを擁している。
EXAチップセットの第2世代の製品はx455やx445サーバに採用されている。2003年に登場したx455サーバは、Itanium 2プロセッサを最大16基搭載し、またx445サーバではXeonプロセッサを最大32基搭載する。
新しく発表されたX3チップセットは、Intelの「Potomac」や「Cranford」(ともに開発コード名)といったXeonチップとともに使われることになる。また、X4という別のチップセットも開発中で、こちらは次世代のXeonチップとともに約18カ月後に登場する予定だと、Bradicichは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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