Intel初のデュアルコアチップMontecitoには、およそ17億個のトランジスタが搭載されるが、発熱量は既存製品よりも少なくなる。
IntelのNimish Modi(Digital Enterprise Groupバイスプレジデント)によると、サーバ用プロセッサItaniumシリーズの最新モデルであるMontecitoには17億個のトランジスタが搭載されるという。Montecitoは10億個以上のトランジスタを搭載する初のインテル製チップで、既存のItanium製品を上回る2GHzで動作する。
しかし、Montecitoのサーマルシーリングは100ワットにすぎず、これは既存のItaniumチップの130ワットを下回り、また同社のいくつかの最新版デスクトップチップのサーバルシーリングとほぼ同じ水準だ。サーマルシーリングとは、プロセッサがPCの性能を犠牲にすることなく発生させられる熱量を指す。
Intelは、サンフランシスコで米国時間6日から5日間開催される国際固体素子回路会議(International Solid State Circuits Conference:ISSCC)で、Montecitoと複数のアンテナを搭載したシリコンラジオについての資料を公表する。Montecitoチップは2005年の発売が予定されている。
Modiによると、Montecitoではさまざまな新技術の採用により、電力効率の向上が図られているという。そのなかには、トランジスタが使われていない時に動作速度を低下させる需要対応型スイッチ機能や、タスクをより迅速に処理するために作業負荷のピーク時にプロセッサのクロック速度を上げるFoxton機能がある。
またIntelは、低温時の動作を最適化するため、トランジスタ内部の1つの領域であるチャンネルを定義づけるラインを細くしている。さらに、チップの動作速度を既存の1.6GHz版Itaniumプロセッサからあまり引き上げないことで、電力消費量はさらに低減される。
「全体的な目標は実現されるパフォーマンスをいかに最大化するかということだ」(Modi)
消費電力の低減は、今年のISSCCにおける主要テーマの1つだ。同会議は毎年恒例の半導体業界の主要イベントの1つで、過去に同会議で取り上げられた主要テーマとしては、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor:DSP)に関する初の報告書(Bell Labs、1980年)、RISCチップに関する初の報告書(UCバークレーおよびスタンフォード、1984年)、100MHz版プロセッサに関する初の報告書(Intel、1991年)、さらに1GHz版プロセッサに関する初の報告書(DigitalとIntel、2000年)などが挙げられる。
今年の会議のその他の見所としては、IBM、Toshiba、Sonyの3社が7日と8日の2日間、PlayStation 3に搭載予定のCellプロセッサの詳細を発表する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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