電力や空調のコストで悩む企業に朗報だ。Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間6日、サーバのアイドル時の発熱量を抑えるプロセッサ技術を発表した。
プロセッサの消費電力や発熱量は増大する一方だ。発熱量については、データセンターなどの限られたスペースで、データ消失やサーバダウンなどのリスクを負うことなく1台でも多くのサーバを管理したいと考える人にとっては頭痛の種となっている。AMDはこの状況を改善すべく、これまでノートPC向けに開発してきた省電力技術を、サーバ用プロセッサOpteronに搭載し始めた。
AMDのサーバマイクロプロセッサ部門バイスプレジデントのBen Williamsによると、「PowerNow with Optimized Power Management」と呼ばれるこの技術により、オペレーティングシステム(OS)は状況に応じてプロセッサのクロックスピードを低下させることが可能になり、結果として消費電力を最大80%削減できるという。
AMDとライバルのIntelはこれまでも、争うように消費電力や発熱量の問題に取り組んできたが、この動きはその最新のステップである。Intelは、従来モバイルプロセッサに搭載していたSpeedStep技術をサーバ用プロセッサにも搭載するようになったが、AMDの今回の動きは、これとまったく同じものといえる。
「消費電力が少なければ、限られたスペースにプロセッサを集約することができるし、空調などの運用コストを軽減できる」とInsight64のアナリスト、Nathan Brookwoodは述べる。「PowerNowによってAMDは独自の優位性を確立できるわけではない。だが、Intelが持っている技術と遜色のないものを用意できたことは確かだ」(Brookwood)
AMDのWilliamsによると、PowerNow機能は2004年中旬以降に出荷されたOpteronプロセッサには既に組み込まれているという。だが、実際にこの機能を利用できるのは、OSやBIOS(Basic Input/Output System)によるサポートが実現する2005年前半になる予定だ。
この技術をサポートするOSには、MicrosoftのWindows、Red HatやNovellから提供されるLinuxなどが含まれるという。
Williamsによると、PowerNowを制御する管理ソフトウェアには、さまざまな機能が用意されているという。例えば、処理要求がピークに達することがあらかじめ予測される時間帯は、この機能がオフになるよう設定することが可能だ。
プロセッサの発熱量は誰もが抱える問題だ。ローレンス・リバモア国立研究所では、スーパーコンピュータにかかる電力や空調関連コストが、毎年1メガワット当たり100万ドルにのぼると推定している。また、Silicon GraphicsがNASA向けに構築したスーパーコンピュータでは、水冷システムを利用して空気を冷却している。
過熱の問題に対処しようと、Cooligyは特殊なPC冷却システムを販売している。また、Hewlett-Packardは、機器の配置方法で問題を最小限に食い止めるサービスを提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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