オープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)「Zope」の日本語版開発などを手がけるゾープ・ジャパンは11月17日、Zope日本語版のプレビュー版を公開したと発表した。同社のウェブサイトから無料でダウンロードできる。機能改良を進め、2005年第1四半期中の正式版リリースを目指す。
ZopeはPythonというプログラム言語で書かれたCMSで、ウェブアプリケーションサーバ機能やCMSの開発環境、オブジェクトデータベースが統合されている点が特徴。このため、Zopeだけでサイトの開発・運用が行える。北大西洋条約機構(NATO)や米国海軍、デューク大学などで採用されている。
今回発表されたZope日本語版は、初の公式日本語版となる。管理画面が日本語されたほか、COREBlogというZopeベースのBlogツールが同梱されている。Zope日本語版は「ZPL(Zope Public License)」という独自のライセンス体系で配布され、再配布も可能だ。
ゾープ・ジャパン代表取締役社長 山本烈氏 |
ゾープ・ジャパンでは開発者向けにZope Enterprise CMSという商用製品のローカライズを進めており、2005年上半期に販売を始める予定。Zope Enterprise CMSは業務システムを開発する際に必要な機能をパッケージ化したもの。ソースコードが提供され、ユーザー企業がカスタマイズをしたり、組織内で再配布したりすることも可能という。
「これまではソースコードを見られないプロプライエタリな製品を買うか、オープンソースの基盤上に自社で開発するしかなかった。Zope Enterprise CMSならばライセンスを購入し、それをもとに自社のアプリケーションを構築できる。“買うか、作るか”から“買って作る”というパラダイムチェンジだ」(ゾープ・ジャパン代表取締役社長の山本烈氏)。価格は1CPUの基本ライセンスが数百万円から、CPU無制限のライセンスが1000万円前後となる見込みだ。
開発者を支援する「Zope Solution Alliance(ZSA)」も立ち上げる予定で、第1弾として2005年1月から「ZSAデベロッパプログラム」を開始する。トレーニングを優待価格で受講できるほか、ニュースレターの配信などが受けられる。会費は年間5万8000円としている。
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