圧倒的シェアを誇るOfficeをより多くのユーザーにアップグレードしてもらいたいと考えるMicrosoftは、次期バージョンでOfficeとサーバアプリケーションの関係をより緊密にしたいと思っているようだ。
米国時間4日に同社関係者が語ったところによると、暫定的に「Office 12」と名付けられたOfficeの次期大型アップグレードでは、WordやExcelのようなデスクトップアプリケーションとサーバソフトウェアの連係がより緊密になるという。また同社は、小規模企業や学校など特定の顧客に対応するための特殊バージョンを開発するほか、引き続きXMLベースのファイル形式を採用する計画だという。
昨年秋に発売された「Office 2003」でMicrosoftは、初めてOfficeにサーバベースのツールを搭載した。例えば、InfoPathというアプリケーションを使うと、社員同士がWindowsサーバを介して電子フォームをやりとりすることができる。また、ポータルソフトウェアSharePointは、ユーザー同士の文書共有をより簡単にする。
Office 12で、MicrosoftはWordやExcel、Outlookのようなデスクトップアプリケーションとサーバアプリケーションとの連係を強化しようとしている。アップグレードは来年か、再来年に完成する予定。
これらは、Officeユーザーを新バージョンに移行させて売上を確保するための作戦だと調査会社Directions on MicrosoftのアナリストPaul DeGrootは述べた。
デスクトップとサーバソフトウェア間の連係を強化することにより、Microsoftはサーバ製品(特にあまり普及していないLive Communications Serverのような製品)の売上を確保できると同氏は述べた。機能が豊富になれば、Microsoftは引き続き、ウェブブラウザベースのクライアントソフトウェアではなく、Officeを中心とする製品を提供することができると同氏は付け加えた。
またMicrosoftは、Office 12でXMLのサポートを強化する予定だ。XMLのサポートが強化され、デスクトップアプリケーションとサーバアプリケーション間の連係が緊密になれば、企業はより洗練されたアプリケーションを構築することが可能になると、Incremax Technologiesのプレジデント、Kerry Gerontianosは述べている。Incremax Technologiesは、Microsoftのソフトウェアを使って企業向けカスタムアプリケーションを構築している会社だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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