米通信大手のAT&Tが、社内で利用するWindowsの代替システムとして、LinuxやMac OS Xをはじめとする各種OSの評価を進めている。
AT&Tの広報担当、Michael Dickmanは米国時間9月30日、同社CIO(情報統括責任者)のHossein Eslambolchiが、社内で利用するデスクトップOSの適性を評価すべく、同社の研究所にチームを設置したことを明らかにした。同社は現在、社内にある数万台のデスクトップPCでWindowsを利用している。
これを受け、同社のエンジニアらはWindows、Linux、およびMac OS Xそれぞれのセキュリティ、信頼性、およびTCOを測定すべくテストを進めている、とDickmanは語った。CIOのEslambolchiはCTO(最高技術責任者)も兼任しており、AT&Tの研究開発を統括している。
AT&Tでは、各デスクトップOSのメリットについて来年末もしくは2006年初頭までに判断を下す見込み。
Microsoftはすでに、ウイルスに対して特に脆弱なセキュリティの欠陥など、自社のデスクトップソフトが抱える多くの問題への対応を進めていることから、AT&TはおそらくWindowsを使い続けることになるだろう、とDickmanは語った。しかし同氏は、デスクトップ用ソフトウェアに関して、法人顧客が以前よりも多くの選択肢を手にしていると指摘した。
「現在では競合する製品が出回っているため、選択の余地がある。いま、どんな選択肢があるかを調べていないCIOは、職務怠慢ということになる」(Dickman)
Dickmanは、AT&Tが積極的にWindowsを入れ替えようとしているわけではない、と語った。しかし、全社への導入目的でWindowsとともにMac OS XやLinuxも徹底的に評価するとした同社の判断は、Windows代替製品の進歩を強調するものといえる。
アナリストによると、特にLinuxは、ますます現実的なデスクトップOSの選択肢になっているという。NovellやSun Microsystemsなどのベンダー各社は、企業に対応するオープンソースのデスクトップソフト事業の構築を積極的に試みている。
アナリストによると、いまのところデスクトップLinuxの業務利用はほとんどないものの、関心は高まりつつあるという。IBMは今年初め、デスクトップLinuxを評価するための独自社内プロジェクトを立ち上げた。また、多数の政府組織も、Microsoftがほぼ独占するデスクトップソフトの代替としてオープンソース製品を検討している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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