IBMは米国時間30日にデータベースツールの大型アップデートをリリースし、企業向け検索ソフトウェア市場に進出する。
今回リリースされるDB2 Information Integrator(コード名:Masala)によって、企業ユーザーはテキスト文書や電子メール、リレーショナルデータベース、マルチメディアファイルなど、企業ネットワーク上の複数のデータソースに検索をかけられるようになる、とIBMは説明している。例えば、顧客サービス担当者がこのソフトウェアを利用すれば、さまざまなアプリケーションに保存されている顧客情報をスピーディに集められるようになる。
IBMはDB2 Information Integratorを、分散データソースへの検索を行うDB2リレーショナルデータベース用のアドオンとして販売する。Masalaには、IBMのWebFoundationプロジェクトの研究に基づいて開発されたテキストベースの検索エンジンが導入される。Masalaという名称は、インドの混合スパイスにちなんで名付けられた。
テキスト検索と従来型のデータベース検索ツールを組み合わせることにより、企業は決済記録のデータベースなどの「構造化されたデータソース」と、ファイルシステムなど構造化されていない情報の両方を検索できるようになる、とIBMは述べている。IBMはこれまで、約1万のウェブページを含む同社の社内ポータルで、このテキストベースの検索ツールを使用してきた。
Masalaでは、ウェブページ以外のデータに対しても検索をかけられるように、ウェブページにみられるようなリンクのないコンテンツ用に開発された検索アルゴリズムが用いられている。そのため、Masalaで採用されている検索技術は通常のウェブベースで用いられるものとは性質が異なる、とIBMは述べている。
企業向け検索分野に進出するIBMは、企業イントラネット向けの検索ツールを販売しているGoogleや、その他のデータベースソフトウェア企業と競合することになる。
Windowsの次期バージョンLonghornの「大きな柱」の1つは、デスクトップPCや企業ネットワークでの検索を容易にする新ファイルシステム「WinFS」だ。MicrosoftはWinFSの提供開始時期を2007年に延期した。
また、同じくIBMのライバルとなるデータベース大手Oracleも、リレーショナルデータベースに通常保存される数値以外のデータを扱えるようなソフトウェアを開発している。同社は新コンテンツ管理製品Tsunamiを年内に発表する見込みだ。
IBMではMasalaの価格をサーバプロセッサ1基あたり5000ドル、データソースコネクタ1つあたり1万5000ドルに設定している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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