IntelのItaniumプロセッサファミリを最も熱心に推進しているメーカーの1つHewlett-Packard(HP)が、Itaniumワークステーションシリーズを86化しようとしている。
HPの決定は、Itaniumの運命に大きな暗い影を落とすことになるだろう。HPはIntelと共同でItaniumの基本アーキテクチャを設計し、同社のハイエンドサーバシリーズで大々的にItaniumを採用していた。
HPはItanium 2チップを使用しているItaniumワークステーションを廃止する。これは、Advanced Micro DevicesのOpteronや、Intel最新のXeonチップの一部など、32ビットと64ビットのソフトウェアを両方稼働できるチップの人気が高まっているためだ。Itaniumでは、Itanium専用に移植されたソフトウェアが必要となる。
「高性能ワークステーションのパートナーや顧客とともに仕事をし、彼らの考えに耳を傾けた結果、この分野では64ビット拡張技術に注目が集まっているとわれわれは認識するようになった」とHPの広報担当者は電子メールに記している。「HPのItaniumワークステーションへの投資中止の決定は、ワークステーション市場に限定されたものであって、HPのItaniumベースサーバの成功に影響を与えることはない」(同広報担当者)
Itanium 2はHPの「zx2000」および「zx6000」ワークステーションに使用されている。HPは9月1日(米国時間)に両ワークステーションの製造を中止した。また10月31日からは新規システムの出荷も中止する。
「Itaniumがワークステーション市場を主なターゲットとしたことは一度もない。Itaniumはハイエンドサーバ市場でのシェアを伸ばしていく」とIntelの代表者は述べている。
Itaniumの動向は、半導体分野で最も注目を集めてきた事柄の1つだ。HPとIntelは1989年よりサーバとワークステーションのチップで提携を始めた。Intelのプロセッサ製造経験とノウハウが活かせることから、両社の協力によるチップはサーバ市場を独占し、デスクトップ市場にも食い込むだろうと多くの人々が予想していた。
しかし最初のバージョンのItaniumは、数回の延期の末、2001年にようやく発売された。性能は並程度だった。2002年と2003年に発売された新バージョンの「Itanium 2」では、多くの性能上の問題が解決された。実際に、Itanium 2搭載コンピュータは現在ベンチマークテストの上位に常にランクインしている。
しかし売上は伸びず、IBMなどの顧客は他のチップに力を入れ始めるようになった。Intelが昨年出荷したItanium 2は10万個をわずかに越える程度で、同社は最近、今年売上を倍増する目標は達成できないとの見方を明らかにしていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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