Sunがオープンソース化しそうな製品の候補リストに、同社のJavaサーバソフトウェアスイートが加わった。
Sunは15日(米国時間)に声明を発表し、「わが社はJava Enterprise Systemのオープンソース化を検討しているが、まだ正式決定はなされていない」ことを明らかにした。Sunの関係者によると、この声明を発表したのはJava Enterprise System担当のエグゼクティブディレクター、Stephen Borcichだというが、これ以外の詳しい説明はなかった。
Sunは、Java言語や関連するプログラミングソフトウェアをオープンソースコミュニティに開放するよう求める圧力を受けているが、同社はオープンソース化に消極的な姿勢を示している。また以前には、将来的に同社のUnixオペレーティングシステム(OS)Solarisをオープンソースにすると述べたこともあるが、具体的な時期やライセンス変更については詳細を明らかにしていない。
Sunはオープンソース開発者との間により緊密な関係を築きたいと強く望んでいる。同社は先月、「Looking Glass」と呼ばれる実験的ユーザーインターフェースの設計などJavaソフトウェアの一部をオープンソース化した。また同社は、オープンソースのソフトウェア開発ツール製作プロジェクト「NetBeans」を運営している。
Java Enterprise SystemはいくつかのJavaサーバソフトウェアをバンドルした製品で、このなかにはJava 2 Enterprise Edition(J2EE)アプリケーションサーバ、認証管理ソフトウェア、ポータルソフトウェアやその他のコンポーネントが含まれる。Sunは昨年、1従業員につき年間100ドルという人頭ベースの料金設定で、Java Enterprise Systemを発売した。
こうした価格設定やパッケージ方法は、Javaサーバソフトウェア市場のシェア拡大を図るSunの戦略の要(かなめ)となっている。現在この市場で優勢なのは、IBMやBEA Systems、Oracleの3社だ。
Sunは、Javaソフトウェアスイートのオープンソースバージョンを開発することで、プロプライエタリならびにオープンソースのJavaアプリケーションサーバを提供する各社を相手に、もっと有利に戦えるようになる、とアナリストらは述べている。
Sunはすでに、価格面では非常に強い競争力がある。しかしJava Enterprise Systemがオープンソース化されれば、Sunのソフトウェアに魅力を感じる開発者が増えるだろう、とD.H. BrownアナリストのPierre Frickeは述べている。Frickeは、IBMが設立したEclipseプロジェクトの影響で、EclipseソフトウェアのベースであるIBMのWebSphere Studioを利用する開発者が増えたことを指摘した。
「アプリケーションプラットフォーム競争における勝利のカギは、いかに開発者を惹きつけられるかということだ。Sunが市場の状況を変えたいなら、利用価値のあるオープンソースのプラットフォームを作ればいい」(Fricke)
オープンソースのJavaアプリケーションサーバはすでにいくつか存在しており、またこれから登場してくるものもある。JBossでは無料のJavaアプリケーションサーバを提供し、それに関連したサービスを販売しており、またApache Software FoundationでもGeronimoというJ2EE アプリケーションサーバの開発プロジェクトが進行中だ。
Sunの最もベーシックなJavaアプリケーションサーバは、ソースコードがすでに公開されており、この製品も無料で提供されている。ただし、その使用に関しては、オープンソースではなく商用のライセンスが適用される。Java Enterprise Systemには、さらに高度のアプリケーションサーバや他にもいくつかのサーバソフトウェア・コンポーネントが存在する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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