米NovellはLinux kernel2.6をベースにしたデスクトップOSを2004年秋にリリースする。6月にはベータ版がリリースされる予定だ。これは6月2日から東京ビッグサイトにおいて開催されているLinuxWorld Expo/Tokyo 2004の基調講演の中で、米Novellコーポレート・プランニング&ディベロップメント担当上級副社長のRalph Linsalata氏が明らかにしたもの。
このデスクトップOSはコード名でSUNDANCEと呼ばれており、Linsalata氏はSUNDANCEを「次世代のエンタープライズLinuxデスクトップ」と話す。
米Novellコーポレート・プランニング&ディベロップメント担当上級副社長のRalph Linsalata氏 |
Novellは2003年8月にLinuxソフトウェアメーカーの米Ximianを買収し、2004年1月には世界第2位のLinuxベンダーであるSuSE Linuxを2億1000万ドルで買収している。Linsalata氏によると、SUNDANCEの開発はXimianとSuSE Linuxの技術者が進めているという。
SUNDANCEはkernel2.6を採用したことで、従来の3倍から5倍の速さでアプリケーションを動かすことができるという。USBのプラグアンドプレイ機能やリモートデスクトップシェアリング機能も備えるという。
NovellではSUNDANCEにさまざまなソフトウェアを同梱し、デスクトップOSとしての利便性を高める考えだ。カレンダーソフトのEvolution 2.0のほか、Novell版のOpenOffice.orgが含まれる予定で、これによりMS Officeとの互換性を実現するとしている。
また、新たにパワーマネジメントツールがYaSTに追加されるという。Linsalata氏は、「今までデスクトップLinuxでパワーマネジメントをすることは難しかったが、GUIで操作できるようにした。これがブレイクスルーになるだろう」と期待を寄せた。
Linsalata氏によると、Ximian Desktop2やSuSE Linux Desktop1のユーザーはSUNDANCEにアップデートすることが可能という。
Linuxはサーバ市場でその地位を確立しつつあるが、デスクトップ市場はまだMicrosoftの独壇場だ。この状況を打破しようと、5月にはRedHat Linuxが同社初のデスクトップOS「Red Hat Desktop」を発表した。NovellもデスクトップLinuxに関してHewlett-Packwardとの提携を発表している。
日本国内ではデスクトップLinuxに関してターボリナックスがHPと提携を発表しているが、そのターボリナックスはLindowsOSの国内販売権を持つライブドアの傘下にある。
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