ライブドアとターボリナックスは3月16日、共同で記者会見を開催し、ライブドアによるターボリナックス買収の経緯と狙いについて説明した。両社はデスクトップLinuxをそれぞれ販売しているが、2つの製品ラインを1つに集約させる予定はなく、今後も2ブランドを維持していくという。また、今後は組み込みLinuxなど新しい製品やサービスの開発を共同で行っていくことも明らかにされた。
ライブドアがターボリナックスを株式交換によってSRAから買収すると発表したのは15日のこと。ライブドアは2003年8月からデスクトップLinuxの「LindowsOS 4.0日本語版」などを販売しており、LindowsOS関連製品の出荷本数は2万〜3万本という。一方、ターボリナックスは主要開発拠点を日本に構え、1995年から日本語対応Linuxの開発、提供を行っている。デスクトップLinuxの「Turbolinux 10 Desktop(10D)」のほか、サーバ用Linuxの開発も手がけている。なお、10Dの国内出荷本数は約2万本という。
ライブドア代表取締役社長兼CEOの堀江貴文氏は、「Linuxの市場を拡大するためにはアプリケーションソフトを増やす必要がある。今後はLindowsOSと10Dのどちらでも使えるアプリケーションを共同で開発していきたい」とした。
堀江氏によると、今回の買収はライブドア側からもちかけたもので、2003年の年末ごろから話し合いを進めたという。ターボリナックスの親会社であったSRAは、クライアント領域で成果を上げているターボリナックスと企業向け領域を中核とするSRAではシナジー効果が見込めないことから株式譲渡に至ったと説明している。
ターボリナックスの2003年12月期の業績は売上高が5億7900万円、営業損失が7600万円、経常損失が7400万円、当期純損失が6000万円で赤字となっている。一方、ライブドアの2003年9月期の業績は売上高が78億5600万円、営業利益が5億4800万円、経常利益が3億9400万円、当期純利益が3億5700万円となっている。
ターボリナックスを買収することで、ライブドアはLinux事業をデスクトップからサーバにまで拡大することになる。BCNの調査によれば、国内Linux市場(サーバ・クライアント含む)におけるLindowsOSとTurbolinuxの合計出荷本数シェアは75.8%となるという。
今後はターボリナックスのアプライアンスサーバ用製品Turbolinux appliance server 1.0とLindowsCDをパッケージ化した製品をSOHO向けに売り込んでいくほか、販売や研究開発の分野で協力していく方針だ。堀江氏は「ターボリナックスでは、開発リソースが足りないという課題があった」と説明しており、資金繰りや販売促進の面で協力していくとした。また、現在市場が拡大している組み込みLinuxについても共同で研究開発を行っていくとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス