Microsoftは、高性能コンピューティング向けのWindowsの構築計画を開始した。この動きは、Linuxの牙城に対する直接的な攻撃と見られている。
かつてはCrayなどが開発する巨大かつ高価なマシンが必要とされていた高性能コンピューティング分野だが、ローエンドマシンを使ったクラスタの登場により状況が変わりつつある。長い間オペレーティングシステム(OS)分野で首位を維持しているMicrosoftにとってこの流れはチャンスと考えられるが、ただし実際にはLinuxの方が、こうしたクラスタに使われるソフトウェアとして好まれている。
そこでMicrosoftは、この状況に対応するために、High Performance Computing(HPC)チームを組織し、「Windows Server HPC Edition」という新バージョンのOS開発計画を進めている。この取り組みの責任者にはKyril Faenovが就任しており、Microsoftは新たにマネージャーやプログラマ、テスターらの求人募集を行っている。
Microsoftは、高性能コンピューティング市場において、大きな課題を抱えている。そして同社自身もそのことをよく認識している。
「この重要な市場で、すでにがっちりと食い込んでいるLinuxやオープンソースソフトウェアを相手に勝利を収めるには、創造性や技術革新、作戦遂行のスピード、そしてハードウェア/ソフトウェア両分野のパートナーおよび学術分野のパートナーらとの密接な協力が必要だ」と、同チームが掲示したアカデミックパートナーシップ担当プログラムマネージャーの採用情報には記されている。
Windows Server開発を率いているMicrosoftシニアバイスプレジデントのBob Mugliaは、先頃行われたインタビューのなかで、高性能コンピューティングクラスタの構築と、PCの使用されていない処理能力の有効利用という2つの分野に、同社が特に関心を寄せていると述べていた。
Microsoftは高性能コンピューティング市場では比較的後発となるが、同社には次のようないくつかの強みがあると考えられる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」