グローバルメディアオンライン(GMO)は5月20日、フリービットと提携し、専用機器が不要なVPNサービスを開始すると発表した。サービス名は「GMOどこでもLAN」。料金を月額3000円からに抑え、中小企業向けに売り込む。
GMOどこでもLANはVPNサーバをGMOが運用代行するASP型のサービス。フリービットが開発したEmotion Linkという技術を採用した。ユーザーはクライアントPCに専用ソフトをインストールするだけでVPNを利用でき、特別な機器などは不要となる。また、クライアント−サーバ間は128ビットSSLで暗号化されるため、セキュリティも確保されるという。
握手を交わすグローバルメディアオンラインの熊谷正寿氏(中央左)とフリービットの石田宏樹氏(中央右) |
利用方法としては、自宅から会社のパソコンにあるファイルを閲覧したり、メールでは送れない大きなファイルを複数の支店間で共有するといったことを想定している。また、インターネットにつながればモバイル環境でも利用できるため、外出先から企業内にアクセスすることも可能になる。「これはいわば現代のどこでもドアだ。ぜひGMOというポケットから取り出して利用してほしい」(グローバルメディアオンライン代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏)
Emotion Linkはクライアントからサーバに対してTCPセッションを作成してトンネリングを行う技術。サーバ側がクライアントの環境を自動判別し、クライアントソフトのバージョン管理や自動アップデートを行うため、クライアント側で管理者が不要になる。Emotion Linkには、イーサネットをエミュレートする中規模向けの「HUB」と、IPネットワークをエミュレートする大規模向けの「PPP」があるが、GMOどこでもLANで採用されたのはHUBだという。
SoftEtherとの違いについて、フリービット代表取締役社長CEOの石田宏樹氏は「管理のしやすさや安定性、通信速度ではEmotion Linkのほうが勝っている」とした。Emotion Linkのスループットは80Mbps程度という。また、Windows、LinuxのほかにMacOSにも対応するとしている。
GMOはEmotion Link HUBに関してフリービットと独占契約を交わしている。PPPに関しては「技術的にまだ難しい面がある」(石田氏)として、サービス展開には慎重な構えだ。
GMOは自社のサイトを通じて、GMOどこでもLANを販売していく。2〜3年内に1億円の売上を目指すとしている。
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