Oracleは、ワイヤレスのコンピュータネットワークを利用して、剃刀、シャツから処方薬まで、あらゆる物の在処を追跡できる、現在開発途上の技術に利益の機会を見いだそうとしている。
この技術はRFIDとして知られるもので、Wal-MartやP&Gをはじめとするグローバル企業各社が、大幅な在庫費用削減を期待してこれに投資している。
Oracleは米国時間30日にRFIDを利用するためのミドルウェア開発に関する説明を行い、IBMやMicrosoftなどの他社が争うソフトウェア開発レースに加わった。各社とも、RFIDを使ったシステムから生み出される見込まれる膨大な量のデータを処理するための、特別に設計されたソフトウェアの開発を進めている。現在ほとんどの企業で使われているITシステムでは、数十億もの物が自らの所在をリアルタイムで報告してくるような状況には対応しきれないと、Oracleや競合企業は説明する。
Oracleは、RFIDから集まるデータを処理する機能を、今夏発売予定のデータベースやアプリケーションサーバソフトに組み込むことを計画している。同社では、デバイスドライバと呼ばれる特別なプログラムを、これらのソフトウェアに組み込む予定だと、OracleのSensor-Based Services担当バイスプレジデント、Allyson Fryhoffは述べている。このドライバは、Oracleのソフトウェアが稼動しているコンピュータが、RFID読み取り機と交信できるよう、技術的な橋渡しをするものとなる。RFID読み取り機は、無線を使って電波の届く範囲内にある物のデータを集める。
Oracleは、Alien TechnologyやIntermec Technologiesなど、ドライバプログラムを開発する多数のRFID読み取り機メーカーと協力し、開発を進めている。同社はまた、「デバイスドライバ・フレームワーク」と称するものも開発中だが、これは顧客企業がRFIDシステム用のアプリケーションソフトウェアの構築・管理を支援するものとなるとFryhoffは説明した。
Oracleは、RFIDデータを有効活用する方法を企業が模索していることから、その採用が進めば自社のデータベース、アプリケーションサーバ、ビジネスアプリケーションなどの各製品への需要が急増すると期待していると、Fryhoffは付け加えた。同社は、別途RFID用の製品をつくる代わりに、これらの中核製品にRFIDに対応する新たな機能を組み込んでいる。また、同社はRFID対応の自社ウェアハウス管理プログラムが、6月にリリースになると見込んでいる。
「RFIDに対応するために、もうひとつ別のミドルウェアを買う必要はない」とFryhoffは述べ、「今あるOracleのデータベースを活用できるはずだ」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス