Linuxコミュニティに対し訴訟攻撃を続けるSCO Groupは2日(米国時間)、同OSを利用する某大手企業に対して、新たな訴訟を起こす予定だ。
SCOの最高経営責任者(CEO)、Darl McBrideは1日、サンフランシスコで開催中のSoftware 2004カンファレンスでこの計画を発表したが、ただし提訴する相手の具体名は明かさず、某有名企業と述べるにとどまった。
SCOはUnixに関する知的財産権を保有するが、その権利の範囲については裁判で争点となっている。同社は、Unixのコードの一部がLinuxに不正に流用されたと主張しており、昨年11月にはLinuxユーザーに対し提訴すると脅しをかけたが、自ら設定した2月中旬の提訴予定日はすでに過ぎている。
「(提訴予定日を)数週間過ぎてしまったが、いよいよ明日、最初の訴訟を起こす」とMcBrideは述べた。同氏はスピーチの後、さらに別の2社を提訴する可能性があると語った。
McBrideによると、最初の標的となるのはすでにSCOからUnixのライセンスを取得している企業で、同社との契約は裁判でSCOにある程度有利に働くという。さらにSCOはこの訴訟で、著作権侵害も主張する予定。
McBrideは「(ライセンス問題については)これまで両社で話し合ってきた」と述べ、さらに「今こそ特許権を訴訟という形で行使する時がきた」と語った。
Linuxは、Unixとの関連性が非常に強いため、SCOはLinux OSの使用料として、企業に対しシングルプロセッササーバ1台につき699ドルを請求したいと考えている。しかしこれまでのところ、SCOと契約を交わした企業はごくわずかしかない。
SCOは2003年3月から、IBMがLinuxにUnix技術を違法に組み込んだと主張し始めた。現在同社はIBMに対し、総額50億ドル以上の損害賠償を請求している。
対IBM訴訟ほど大規模な訴訟になると、通常1000万ドルから1500万ドル程度の訴訟費用がかかるが、SCOにはそれらの費用を賄うだけの十分な資力があるとMcBrideは自信を見せる。同社は2003年に総額5000万ドルの出資を受け、現在同社の現金残高はおよそ6400万ドルに上るという。
今回のLinuxユーザーに対する訴訟とIBMに対する訴訟は別のものだとMcBrideは語った。同氏によると、最初の訴訟はUnixのライセンスを保有する企業に対するものだが、同社は現在取引関係のない企業の提訴も計画しているという。
SCOは1日、EV1Servers.netが初の公的なライセンシーとなったと発表した。EV1Servers.netのCEO、Robert Marshは今回の選択について、「あくまでビジネス上の判断」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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